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「で、早速で悪いんだけど、あんたの主さんに会わせてくれない?お礼が言いたいの」




アタシがそう言うと、大典太光世の表情が曇った。




「……主は、いない。今日いなくなった」




「は?」





え、いや、どういうこと?今日いなくなった?なにそれ。



「ちょ、どういうこと?いなくなったってなによ?」



「そのままの意味だ。朝になったらいなくなっていた。……だから、主には会えない」




彼の言葉に、思わず起き上がってしまった。


身体中が痛い。




「どういうこと?置いていったってこと?あんたたち刀剣を残して?」



「……そうだ」




驚きすぎて脳が一気に活性化した。



審神者がいない?しかも消えたのは今日?





「待って待って待って、じゃあこの本丸は_______」



「っ、やめろ!俺に触るな!」




彼に触れようとしたアタシの手は、彼によって払いのけられた。



……え、下心ありとか思われた?いやないわよ。こんな状態でも下心出せるほど図太くないわ。




「俺には触れない方がいい。……近づかない方がいい」





そう言う彼の顔はひどく辛そうだった。



アタシの手を払い除けた彼の手は震えている。




「あんたね、乙女の手を振り払うなんてどうかしてるんじゃないの?女に恥をかかせるような男はダメよ」



「……は?あんた、男だろ……っ!?」




アタシは素早く彼の腕を掴んだ。


例のごとく大典太光世は嫌がり、アタシの手を振りほどこうとする。




「なんで触れない方がいいのよ?だってあんた、今までアタシのこと見ててくれたんでしょ?優しいじゃない。なにを怖がってるの?」



動揺したように彼は視線を彷徨わせる。


アタシの手を振りほどこうと抵抗する力も一気に弱まった。





「ダメだ、俺は……、俺が近くにいたら、」



「大丈夫よ。なにが怖いのかは知らないけど、アタシはなんともないしなにも起きてないわ」




大典太光世の不安げな瞳が揺れる。





「怖がらせたのならごめんなさい。でも、そんなに怯えないでちょうだい。……あんたはいい刀よ」




大典太光世は驚いた顔をしてアタシを見た。


抵抗していた力もなくなり、今は彼の手がアタシの腕に置かれているような状態だ。




彼は再び顔を伏せた。





「……ちょ、ちょっと、泣いてるの?」



アタシは慌てて服の袖で彼の涙を拭う。




体は大きいのに、なんて小さな刀だろう。





アタシは彼が、なぜかとても可愛く見えた。

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翔、藍、love(プロフ) - 2話が抜けてるのですがただの3を打ち間違えただけですか? (2018年12月7日 14時) (レス) id: 32db5f9d5a (このIDを非表示/違反報告)
霧陰三文字 - あ、待って好き。← なんか始まったばっかりなのに泣きそうになってきました()更新楽しみにしてます! (2018年9月21日 1時) (レス) id: 4d70f7c8ca (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください! (2018年9月9日 23時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄シャーベット(プロフ) - 好きです、愛してます(真顔)めちゃくちゃ面白かったです!更新頑張ってください!(ゆっくりで大丈夫ですからね!)応援してます! (2018年9月5日 15時) (レス) id: f6cb6ae02b (このIDを非表示/違反報告)
紗衣(プロフ) - この作品とても面白く読ませていただきました!続き待ってます。 (2018年9月4日 21時) (レス) id: 7d9698e044 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めありー | 作成日時:2018年8月27日 17時

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