"オネエ"さん審神者、参ります！

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「……ほら、たまにあるわよ、そういうこと」



あれ、これ言うの2回目じゃなかったかしら。



混乱する頭を無理矢理整理し、導き出した答えがそれだった。

いや、うん。たまにあるわよ(3回目)。




「あ、アタシもね、男のこと可愛いな〜とか思ったりするもの」




「…………飲め」


「……ええ」




大包平くんに酒瓶を手渡される。

これそのまま飲めと？いや、そのまま飲むくらいの気概じゃないとやってられないわ。


これはきっと、『飲んで忘れよう』ということなんだろうから。




「…………」


「…………」




長すぎる沈黙。

すっごく気まずい。



なにか話題を、と思ったがアタシと大包平くんの間に共通の話題なんてない。

なにか、なにか話題を！





「…………アタシの恋バナ聞く？」



「………………聞く」




聞くんかい。

てっきり断られるかと思ったわ。むしろ断られてからのツッコミの流れで場が盛り上がると思ったわ。


それよりアタシの恋バナなんて糞よりもつまらないんだけどどうしましょう。




「？ 話さんのか？」


「え、ああ……話すわ。面白くはないと思うけど」



とは言ってもどれを話そう。


アタシの恋バナの引き出しは10は確実にある。年代別にすると小学1年生から始まって高校3年生まで。

その恋は全て実ることは無く、最後以外の恋は告白することもなく散った。ちなみに最後の恋は普通に玉砕した。


一番面白い話となれば告白からの玉砕コースの最後の恋愛だが、いささか後味が悪い。



もう考えることも面倒になり、脳内くじ引きで引き当てた高校最後の玉砕恋バナを話すことにした。

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