"オネエ"さん審神者、参ります！

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「……叶わんくはない、わね……」


「そうか」



きゅん、と心臓が変な音を立てた。


いやだって急に乙女ゲームの攻略対象みたいなこと言うから、ねぇ？


そういえば前に興味本位でやった乙女ゲームにそんなこと言ってるイケメンがいたわね。攻略対象がみんなヒョロヒョロナヨナヨで止めたけど。


ちらりと大包平くんを見る。


うん。顔も身体も余裕で合格ね。




「むしろ俺に会えることを光栄に思うべきだな」



「……………そうね……」



「なんだそのあからさまにガッカリしたような態度は」




そりゃガッカリもしたくなるわ。


かっこいい事言ってる！ってドキドキしたのに急に俺様を全面に出されたらそうもなるでしょ。


いや一部女子にはウケるかもしれないけどアタシ俺様は専門外。




「お前は随分と大典太光世と仲がいいようだな」


「光世ちゃん？まあ、そうね」


「主にすらも懐かなかった奴だ。どうやって懐柔した？」


「光世ちゃんがあんたたちに心を開かなかったのは誰も光世ちゃんと向き合ってなかったからよ。アタシは別に聞かれるほど特別なことしてないわ」



思い出したら腹が立ってきたわ。

そうよ、誰も光世ちゃんと向き合ってなかったのよ。だから彼は一人で全部抱え込んじゃったのよ。


まぁ過ぎたことだしとやかく言うのもあれだけど。



ぐび、と怒りも酒と一緒に流し込むようにグラスにあったそれを飲み干す。


相変わらず美味しいお酒だ。




「……そういうところだ」


「なに？どういうところ？」



大包平くんも同じく酒を飲み干す。




「はっきり問う。"お前"とはどういう人間だ」



「ハァ？」

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