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「古備前派の大包平……聞いたことあるわ。実装されたときに他の本丸の審神者が騒いでたから。まさかこんなにイケメンだったとはねぇ」
「やかましい!!!人の部屋の前で騒ぎ立てるな!!!!」
「あんたが1番やかましいわよ」
そういえば古備前派って言ったら鶯丸もよね。
……この本丸の鶯丸は大包平に会えたのね。
アタシの本丸の鶯丸には会わせられなかったけど。
「……? お、おい、大丈夫か?」
「え?ああ、大丈夫よ。なんでもないわ」
さっきまで逃げようと必死こいていた光世ちゃんがアタシの顔を覗き込んで心配そうにそう問うた。
危ない危ない、ちょっと泣きそうになっちゃった。ネガティブ思考は唐突にくるわね。
……光世ちゃん逃げるの諦めたのかしら。
「大包平殿。これからお茶でもと思っていたのですが……いかがですか?」
「数珠丸殿。もちろん、ご一緒させていただきまする」
またしてもアタシと光世ちゃんの傍らで始められる会話。
いやていうか大包平くんあんたさっきまでの高圧的な態度はどうしたの?
なんで数珠ちゃんの前だとそんなに礼儀正しいの?
数珠ちゃんの前にぴしっと正座している大包平がこちらに目線を送る。
光世ちゃんの姿を捉えると、カッと目を見開き鬼のような形相になった。
「大典太光世……!!貴様も参加する気か!?」
「……俺がいたんでは茶が不味くなるだろう」
「なんだと!?貴様は何故そう自嘲的なんだ!!天下五剣ともあろう刀が!!」
「周りが勝手にそう呼ぶだけだ。……俺は望んでいない」
特に興味もなさそうに光世ちゃんは答える。
大包平くんは光世ちゃんに参加して欲しいのかして欲しくないのかどっちなのかしら。
ぐぬぬ、と大包平くんは悔しそうな顔をした。
「って、そうじゃないわよ。光世ちゃんも参加するのよ」
「……しない」
「するの」
この問答も何回目よ。いい加減観念して欲しいものだわ。
半ば強制連行のように青江派の部屋に入り、テーブルを囲むように座る。
光世ちゃんも特に抵抗はせず、されるがままだった。
ひとつ増えた湯のみたちを前に、和やか(?)なお茶会が幕を開けた。
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翔、藍、love(プロフ) - 2話が抜けてるのですがただの3を打ち間違えただけですか? (2018年12月7日 14時) (レス) id: 32db5f9d5a (このIDを非表示/違反報告)
霧陰三文字 - あ、待って好き。← なんか始まったばっかりなのに泣きそうになってきました()更新楽しみにしてます! (2018年9月21日 1時) (レス) id: 4d70f7c8ca (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください! (2018年9月9日 23時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄シャーベット(プロフ) - 好きです、愛してます(真顔)めちゃくちゃ面白かったです!更新頑張ってください!(ゆっくりで大丈夫ですからね!)応援してます! (2018年9月5日 15時) (レス) id: f6cb6ae02b (このIDを非表示/違反報告)
紗衣(プロフ) - この作品とても面白く読ませていただきました!続き待ってます。 (2018年9月4日 21時) (レス) id: 7d9698e044 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めありー | 作成日時:2018年8月27日 17時