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境界の夏祭り ページ37

実夢視点

『大人にはね、諦めないといけない事もあるの。……それがどんなに辛いことでも。』
あのあとつっこまれたレモン味の飴は、お菓子に似合わず、苦味があった。
土籠先生とほのか先生、両想いなのに…。

花子「なんかさあ、やらしくない?」
ハッ(゚◇゚)
今は再びトイレ掃除中。
珍しく花子くんが怪異オーラ全開で謎なことを言っていた。
話を聞くに、寧々ちゃんセンパイが光くんをかもめ商店街の夏祭りに誘ったらしい。
え!?それって、
良かったじゃない光くん!
見ると光くんが少し照れている。
パシャ
ふふ、たまにはいいじゃん、軽いのも。
花子「7月7日夜明けの晩に、ミサキ階段集合ね!」ニヤ─
いつの間にか話が進んでいた。
実夢「え、わたしも?」
花子「もっちろん!」

当日

ヤコ「じゃ、あたし達女子は色々と支度があるから。…あら、あの娘も来たのね」
ヤコ「先に行って待ってなさい」
わたしはほのか先生も連れてきたのだ!
実夢「ねぇ、土籠先生は…?」
ヤコ「あんな根暗蜘蛛が気になるの?来てないわよ」
ええ〜来てないの?夏祭りだったらほのか先生とナニカが起きるかもしれないと思ったのにニヤニヤ
ヤコ「ほら、行くわよ小娘」
見るともう寧々ちゃんセンパイとほのか先生はヤコさんについて行ってた。
どうやら浴衣をヤコさんが着付けてくれるらしい。
寧々「すごーいっこの浴衣とってもかわいい!」
寧々ちゃんセンパイは牡丹柄の浴衣にふわふわの帯。
髪型はいつもと違い、下の方でお団子をしていた。
なんだか寧々ちゃんセンパイらしく、すごく似合っていた!
し・か・も〜、
実夢「ヤコさんすっごい綺麗!ほのか先生も!」
ヤコ「このくらい当然の嗜みだわ」
ほのか「うう、浴衣が綺麗なだけ恥ずかしい…」
初めて見た人間姿のヤコさんは、切れ長の目にツヤツヤの唇、つまりすごく美人だった!
ほのか先生も、黒がベースにあでやかな蝶々柄の浴衣。いつもかわいいほのか先生とは別人みたい!
…でも、
実夢「あの、なんでこの浴衣…?」
わたしはこんな綺麗なの着れないといえる、
青がベースに朝顔柄の浴衣。
しかも流してある前髪を編みこみされてる。
ヤコ「あら、似合ってるわよ」
うう、やだ…絶対似合ってない…。
ヤコ「さっ行くわよ小娘達」ポン
気がつくとヤコさんは狐姿に戻っていた。
寧々「えっ浴衣のイミは…」
これから行く男子の目が痛い…
わたしはほのか先生に隠れるようについて行った。

…浴衣と。→←……諦めないと駄目。



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作者名:リガロ x他1人 | 作成日時:2019年8月21日 23時

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