……諦めないと駄目。 ページ36
ほのか「…実夢ちゃん…これは…酷いよ…。」
私が少し青ざめてみているこの答案。
実夢「仕方ないじゃないですかっ!!!だってぇ…だってぇ…!!!」
ほのか「…いや…流石に…………2点は…。」
いや、難しいのはわかってたし、実夢ちゃんが苦手なのも知ってた。……けどさ?
……これは…???
記号問題は一か八かなので当たるけど、記述問題が大惨事よ…?
しかも、序盤は写真を一枚ずつ消したりなど私にとっては順調だったが…
……写真もすべて消してしまい跡形もなくなり、しかも、プリントは最初の十枚以上に増えている。
…もはや、プリントを印刷する私のほうが疲れてきた。
ほのか「…実夢ちゃん…。…頑張れ…。」
実夢「鬼ぃぃいっ!!」
…なんか、可哀想に思えるけど…
…まぁ…そろそろいいかな…。
ほのか「じゃあ、もうi((実夢「絶対にっ…!!次は…!!バレずに写真撮ってやるっ…!!とびっきり恥ずかしいやつっ…!!」←
よし、続行☆←
ほのか「…源さんにこれ見せようかな。」ニヤ
私の持っているプリントは例の万葉集。
実夢「鬼ぃいぃいっ!!!」
うん。2回目。←
ため息を付きつつ、私は回答に目を移す。
実夢「うぅ…!!…ねぇ、ほのか先生。土籠先生とはホントはどー思ってる?」
実夢ちゃんは机に突っ伏する。
…どう思ってる…?
ほのか「…とっても…優しい…人…って言うべきなのかな…?」
少し笑ってごまかすが、実夢ちゃんはこちらに目を向ける。
実夢「…自分に正直になっては?」
……正直に…ね…。
……この思いには…
……嘘をつかなきゃ…いけないんだ。
蓋をして…気づかないふりをするんだ。
ほのか「…ふふ、実夢ちゃん。……大人にはね、諦めないといけない事もあるの。……それがどんなに辛いことでも。」
私はそんなことないけどね。っと付け足して。
実夢「…土籠先生は絶対にほのか先生の事…」
実夢ちゃんが言おうとしたことはわかった。
……が、私は口に飴を突っ込んでやる。
実夢「っ!?」
ほのか「…私にはその回答はいらない。…そんなこと…望んでないから。」
微笑んで実夢ちゃんを見る。
実夢ちゃんは私を馬鹿にするでもなくただ…見つめてきた。
実夢「…レモン…。」
ほのか「…ほら、こんな時間。バイバイ、実夢ちゃん。」
私は教室から出た。
……私は…
……駄目。
…………私は考える事をやめた。
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作者名:リガロ x他1人 | 作成日時:2019年8月21日 23時