愛のない国【wrwrd!】「募集企画」『満員御礼！！！』 (ページ7)

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プロローグ5 ページ7

『嗚呼、最近軍を嗅ぎ回っているのは貴様か。』

「っ！！…情報を寄越せっ…」

最初の出会いは軍の基地の管理室にて。

最近、軍内の情報が外部によく漏れていたのだ。

…まぁ、全てをこの世から消したが。

だが、情報漏えいをした可能性の高い奴らを徹底的に締め上げたが特に何も無し。

流石におかしいと思った私は自ら管理室に出向いたのである。

『情報？貴様が求める情報はなんだ？』

「っ…知っているくせにっ…！！」

ｷｨﾝｯ!!

仕込み杖を使い、女のナイフを弾けば恨めしそうに見る女。

……あの瞳は…

『残念だが…"アノ革命"前の情報は不明な点が多く、今解析中だ。おそらく貴様の求めている者もあるだろう。』

"ところで…何が欲しい？"

これを聞かずにはいられなかった。

どうしても…欲しい。

あの瞳…欲する瞳。

そして厳しい警備を掻い潜り侵入したそのスキル。

「っ！？何をふざけているの！！

私はっ…あの情報を手に入れ次第…ﾀﾋに場所を求めているだけなのにっ…」

『ほう…ﾀﾋに場所か…そして情報。ククッ…奇人ねぇ…。』

"なら、私が与えてやろうか？"

静かに問いかければ女はハッとしたように私を見る。

『もう一度言うが、残念ながら私は貴様の求めている情報は知らない。つまらない嘘はつかない主義でね。

もしも貴様がこの軍に入ればその諜報も国外の調査も嘘の証明書も全て正当化してやろう。』

「！？な、何でっ…？」

動揺しかない、と言うふうに声を震わせる女。

そんなの、決まっているがな。

『"何で？"面白い事に首を突っ込むのに理由はいるか？

さぁ、どうする？貴様はおそらくこれから5分後に来る私の部下に取り押さえられる。

逃げようとしても無駄だ。

丁度、諜報員が欲しくてね。

因みに答えは"イエス"か"はい"か"ヤー"だけだ。

早く選べ。』

……おそらく、女はもう攻撃はしてこないだろう。

私は仕込み杖を片付けた。

「……ﾀﾋぬ事は止めないのね」

『あぁ、別に。私も欲しいものを手に入れようとする時に止められるのが嫌いだ。

自分が嫌な事は他人にもしない。それが私だ。』

フフ、と淡く笑う女は何か諦めたように私に向き合った。

「多分、これは私の完敗ね。

私の名前はエリカ・ロート。

欲しい物は…ある情報とﾀﾋに場所。

答えは……イエスよ。」

……これが聞きたかった。

『クフフ…そうか！！

エリカ、貴様は今日、偉大な一歩を踏み出せたな！！

歓迎しよう！！私の軍へ！！』