愛のない国【wrwrd!】「募集企画」『満員御礼！！！』 (ページ2)

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プロローグ2 ページ2

『ほう…貴様は何を望む？』

「…金、ですね。」

平然と答える少女の瞳にゆらぎはない。

『ふむ…物の価値を扱いやすくした文明の利器…人を狂わせる事や息の根を止める理由になり得るもの…か。』

正直、国のトップとして立って来た身としてはその最強にも近い文明の利器にて破滅した者を幾度となく見て来た。

そして今回、志願兵の面接にて。

大半の見たくもない書類には…

【国の安寧を守る為】だの【私が進むべき道だと思ったから】だのとつまらない理由や狂った愛国者がいた中でふと目に泊まる。

"金が欲しいから。"

包み隠しもしない事実を馬鹿正直に書いた志願兵…

……それがこの少女だった。

興味が湧いて直接、総統室に呼び出して見るものの、動揺する様子はナシ。

そして紙に書いた通りの言葉を包み隠さず言ってのけた。

「いつになっても、必要なのは金ですよね。…金さえあれば、愛も、幸せも、本も……全て手に入るでしょう?」

無表情にも近い飄々とした様子で失礼のシの字もなく口を開く少女は恐らく、無礼講になってしまう程に金を欲する者だ。

……その一瞬の目のギラつきは忘れない。

……私と同じ目だ。

豚のように貪欲に

蛇のように狡猾に

闇のようにねっとりとしつこい者は……

何とも美しいものだ。

思わず笑いが込み上げてくる。

『くふ、フフフ…』

「！？」

いきなり笑い出した私に少し動揺して見せた少女は訝しげに私を見る。

『フハハハハッ！！そうだったな！！そうだ！！金ならなぁんでも手に入る！！名誉や名声、権力に物品！！……時には愛等という馬鹿げたもの(一時のまやかし)でさえも。』

少しだけ退屈していた今の時期だったが逸材を発見した。

私が求めるのは"貪欲な者"。

いちいち欲を制するなど見苦しい他何もない。

ならばいっそ欲望に忠実に踊り狂う同士が欲しいものだ。

それができるのはこの少女だ。

醜い化け物になろうとも、欲しい物さえ手に入ればそれでいい。

強さとはそうでなければならない！！

『気に入った！！！貴様の名前はなんだ？』

「…リラ・フェルネです。」

『そうか、リラか！

ようこそ！！我がルピナス国トップの高みへ！！！

私がいくらでもお前が欲するものを与えよう！！

さぁ、私と国を作り上げるぞ！！』

"幹部へ来い！！！"

リラはまた一瞬…ギラリと瞳を輝かせた。