No.5 五条悟 ページ10
「なぁなぁ、五条先生ってAさんの病院来たことある?」
ていうかAさんって何歳?と虎杖は純粋故に女性の年齢を聞いた。
「確かにAに治療された事はあるよ。アイツはね…確か僕より二つ上。」
思い起こす様にギコギコと背をのけぞらせて思い出そうとする五条。
虎杖の興味は更に湧く。
「え、何で治療したの?」
「えっとねー…僕がまだ青かった頃に足を粉砕骨折したんだよね。」
.。o○
『これは派手にやったな。』
「笑うんじゃねぇよ。クソッ…」
現場帰りに寄った先はAの元。
当時、硝子に治療をよくして貰ったのは事実だが彼女の方が知識があった為だ。
派手にやったな、と言いながらケケケと笑うAに苛ついたのは言うまでもなく。
『よし、手術だ。』
「!?こんの馬鹿力っ…!!」
連れてくぞ、と一言断ってアイツは俺を肩に担いだ。
連れて来られたのは保健室。
白衣を着て準備を始める姿に少しだけビビったのはよく覚えている。
遅れて硝子がやって来てAの補助をしようとしていた。
『んじゃ、今回は下半身だけ麻酔な。』
痛ぇが我慢しろよ。と注射器を刺される。
物凄く痛かったが痛がる様子を見せるのもプライドが許さず、脂汗が滲みながらも我慢した。
流石に手術の様子を見せないために気遣いとして腰から下が見えないようにカーテンをされていて助かったが…
『うーっわ、ヤバ。』
……。
『うわぁ…ボルト足りっかな…』
『ちょ、硝子、他のボルトも持ってこい。』
『あー…これ、治んのか?』
『最悪、歩けねぇな…』
『あっ、落ちた。』
『ヤベッ。』
全身麻酔で眠っているわけでもないし、手術の様子が見えるわけでもない。
なのにAが不安になるような事しか言わなくて本当に心配になって心臓がバクバクし始めた。
すると次第に麻酔が薄れてきたのか引っ張る感覚や削られる感覚が振動として伝わり、声を上げた。
「麻酔、切れてきてるって…!!」
『当たり前ェだろ、だって二時間しか保たねぇ麻酔使ってんのに三時間半も経ってんだ。』
「はぁっ!?ふざけんなよ!?」
『動くな馬鹿。仕方ねぇな…麻酔もう一回やるか?』
「当たり前に決まってんだろ!!!」
その日、呪霊以上にAは怖い存在だと心にも体にも刻まれる。
…それ以来、怪我はしない様に病気にもならないように気をつけようと心掛けた。
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りゅう(プロフ) - リガロさんこんばんは!こちらの小説拝見致しました!また違ったお話で読んでいて大変楽しいです!夢主もやることは凄いですが時々見せる優しが伝わります! (2021年2月20日 18時) (レス) id: 70aa81165b (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ100%(プロフ) - いいですね!!いい感じに性癖にヒットしました!お気に入り登録と評価失礼します。m(_ _)m (2021年1月6日 12時) (レス) id: 812b1ab43b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リガロ | 作成日時:2021年1月2日 0時