No.4 二年生 ページ8
『偏頭痛かぁー。相変わらずだな、棘』
「しゃけ…」
「棘の偏頭痛って割と不定期だよなぁ。」
「可哀想に。」
Aは偏頭痛の原因を調べる為にも論文を読み漁るがやはり原因はわからない。
彼らは休憩がてらここに来たという。
その中でも棘は偏頭痛持ちらしく、通院していた。
『ま、あんま酷いようならウ○キでも参考にすればいい。』
「?ウィ○に書いてある事って正しいんですか?」
『まぁ、私もよく編集してるからな。』
○ィキの信頼が最高値まで上がった日。
『偏頭痛っつうのは水分不足も考えられるからな。水分補給がてら注射打つか。』
「!おかかっ…!!」
「こら棘、観念して受けた方がいい。」
「Aさん、ヤバいやつだけど信頼できるしな。」
Aが注射を準備し始めた途端、嫌だ嫌だと逃げようとする棘を捕まえるパンダと真希。
『仕方ねぇな…じゃ、ワン、ツー、スリーでやる。』
ワンで刺してツーで入れて、スリーで抜く。
これで痛くないから、とAが提案したものは本当に痛くなさそうに聞こえる。
それだけでこの偏頭痛が治まるのなら良いかもしれない…と棘は少し落ち着いた。
『んじゃ、やるぞ。』
「しゃ、しゃけ…」
「頑張れ、棘!」
同級生の励ましの中棘はグッ、と手に力を込める。
『ワン。』
「!!こんぶ」
「お、痛くなさそうだな。」
「Aさん凄いな。」
棘がおにぎりの具で痛くない、と意志を伝えたとき二人も凄い凄いとどちらにも称賛を贈る。
……だが、次の瞬間。
『ツーー___』
「明太子、明太子明太子明太子ッ!!!!」
「えっ、ちょっ…」
「え、あ、棘っ!頑張れ!!」
"ツー"が長いのだ。
棘が痛がっている様子など気にもせず、涼しい顔で注射器の中身入れていくAの姿は鬼のよう。
ようやくスリー。
刺されたところを揉んで半泣きの棘はAをジト目で見つめた。
真希もパンダも引きながら笑う。
「…なんかえげつないっすね。」
『あ?まぁー、人が痛がってる様子見て心痛む奴は医者の仕事向いてねぇよ。』
ハッ、と悪魔の様な笑顔で鼻で笑ったAに狂人だ、と三人は心の中で改めて感じた。
『よし、後は水分補給に気をつけてみろ。それでも症状が出るようならまた来いよ。』
「しゃけぇ…」
最後に三人に塩分チャージを渡してAは奥へ下がった。
「Aさんって酷い人っぽくて優しいよな。」
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りゅう(プロフ) - リガロさんこんばんは!こちらの小説拝見致しました!また違ったお話で読んでいて大変楽しいです!夢主もやることは凄いですが時々見せる優しが伝わります! (2021年2月20日 18時) (レス) id: 70aa81165b (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ100%(プロフ) - いいですね!!いい感じに性癖にヒットしました!お気に入り登録と評価失礼します。m(_ _)m (2021年1月6日 12時) (レス) id: 812b1ab43b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リガロ | 作成日時:2021年1月2日 0時