No.2 伏黒恵 ページ4
「……気持ち悪…。」
今日の朝の出来事。
トイレに駆け込み、胃の中のものを全て吐き出した。
…思い当たるフシはあった。
だが、個人で判断できる程俺は医療知識がある訳じゃない。
…こういうときは病院だ。
丁度、今日は休みで何も予定はなく、すぐに病院へ行く準備をした。
…あの狂人がいる病院へ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
からから、と戸を開けて中へ。
道中、物凄く気持ち悪くて吐きそうだったが耐えた。
何とか辿り着いた病院。
「Aさん、居ますか…」
弱弱しい声だが、Aさんを呼ぶ。
……だが、誰も出てこない。
よくよく見ると受け付けらしき所には外出中、と掲げられていた。
絶望したのは言うまでもないが、気持ち悪すぎて動けない俺はそのまましゃがみ込む。
呪術高専の近くの病院はここくらいなのだ。
口を押さえたが押し寄せる酸っぱさ。
堪えろ、俺。
途方に暮れていると…
『ん？伏黒か？どうした。』
後ろからAが来た。
俺がいる事に特に驚く様子はなく、隣へ来てしゃがむ。
「あ、の…」
『あー、ちょっと待て、喋るな。要は気持ち悪いんだろ？歩けるか？』
パッと俺の様子を見ただけで症状がわかったらしいAさんは俺の背中を擦りながら状況を聞いてくる。
喋るな、と言われたので頭を縦に降れば診察室まで連れて行かれた。
どさどさどさっ。
無造作にテーブルへひっくり返されたコンビニ食品。
食料を買いに外に出ていたのだろう。
コンビニの袋を持たされ、ようやく診断は始まる。
『気持ち悪くなったら吐け。んで、昨日思い当たるフシはあんのか？』
「…あ、ります。」
『それはなんだ？』
…正直、言うのも戸惑ったが…
病院にきて嘘をつく必要はないと恥を偲んで答えた。
「…牡蠣、です。」
『はぁ？？？』
この間の任務帰りに大量に食わされたのだ。
主に虎杖と釘崎に。
面白がったアイツらは10個も俺に食わせやがった。
『牡蠣ってお前…この時期は無ェだろ…』
「…ほとんど食わされたようなもんなんです。」
馬鹿か、と言うような目線を感じ少しそらす。
『お前一人だけの症状じゃ判断は出来ねぇな…他に誰か食わなかったか？』
「…俺だけです。」
『お前…牡蠣やら鶏肉やらは道連れ作らねぇと駄目だろ。』
さも当たり前かのようにちょっとしたサイコパス発言をするこの医者。
いや、道連れ作る方が駄目だろ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 75人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りゅう(プロフ) - リガロさんこんばんは！こちらの小説拝見致しました！また違ったお話で読んでいて大変楽しいです！夢主もやることは凄いですが時々見せる優しが伝わります！ (2021年2月20日 18時) (
レス) id: 70aa81165b (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ100％(プロフ) - いいですね！！いい感じに性癖にヒットしました！お気に入り登録と評価失礼します。m(_ _)m (2021年1月6日 12時) (レス) id: 812b1ab43b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リガロ | 作成日時：2021年1月2日 0時
