カルテ

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「でっ、でも…ほら、ヒアルロン酸注射とか、色々あるじゃないですか…！」


『あれ、一年メンテすんのにどんだけ金かかると思ってんだよ。』


「め、メンテ…？」


Aはこれだから若いのは、とでも言いたげに眉を顰めた。


『あれは持続性がねぇんだよ。すぐに消える。

1ccで相場は4〜6万くらい。

大体は3ヶ月吸収されっから3ヶ月ごとに打てば年間16〜24万くらいだ。』


「え、ぇえー…」


『それにアレ痛ェし、細菌感染リスクもある。
しかも、日本の医者は経験不足が多いから医療事故も多いんだぞ。』


あと、ヒアルロン酸注射は美容じゃなくて無理矢理ハリをつけるためのモンだぞ。と医者さながらの否定をツラツラと並べたAはタバコに火をつけようとしていた。


「自己満、なんですか…？」


『ヒアルロン酸を飲めって言うのは、ハゲに髪の毛食えって言ってる事と同じだ。』


「物凄く良くわかりましたッ！！！」


本来の目的も忘れ、ただひたすらに三輪はヒアルロン酸が怖い事を学んだ日だった。


.。o○

「あら、ヒアルロン酸入りのジュースがあるわね。飲もうかしら。」


「ヒアルロン酸？いいね。」


「だ、だめですっ！！！！！」


「え、霞ちゃん…どうしたの…？？？」


「いきなり大声あげて…東京行ってからおかしいわよ？アンタ。」


「ひ、ヒアルロン酸を飲む事は…ハゲに髪の毛食えって言ってるようなモノですよッ…！！」


「「は？？？？」」


二人は三輪の剣幕にヒアルロン酸をやめたという。

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