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No.8  家入硝子 ページ14

「はい、これでよし。」


「ありがとう家入さん。」


高専保健室にて。


任務先で怪我をした虎杖は高専の保健室に寄った。


大した怪我ではなく、あの狂人の元へ行かなくても良い程だったので家入の元へ。


そこでふと、家入に虎杖は尋ねてみた。


「なぁ、家入さん。Aさんって元高専生だよな。」


「確かにそうだよ。」


虎杖を手当したガーゼや消毒液を棚に整頓しながら家入は答える。


通常なら早く帰れ、と最後に付きそうなものだったが何も言われないという事は何かしらのいい話題なのだろうと虎杖は思った。


「俺、気になった事あるんだけどさ、Aさんってプライベートとかあんまりなさそうじゃない?」


ほら、いっつも難しい論文読んで、人の治療して、と虎杖はAの知る限りの行動を話す。


だが、虎杖はAの友達ではないし、あくまで患者だ。


プライベートは知らなくて当然だが、事実、あの狂人は食料が尽きない限り基本外には出ない様に高専生誰もが思った。


しかし、答えは意外なもので。


「そんな事ないよ。あの人、結構お酒好きだからよく私と飲みに行くし。」


虎杖が来る少し前に飲もうと思っていたぬるい珈琲を啜りながら椅子に座る家入は足を組んで優雅にしている。


その答えに虎杖が感嘆符を投げれば家入は少し笑って過去のエピソードを話してくれた。


「確か…二ヶ月前の話なんだけど…___

.。o○


「お疲れ様です、Aさん。」


『おー、家入。お前から誘うなんて珍しいな。』


「前にも誘いましたよ。」


『あ?そうだっけか。』


医者のくせに不健康になる行動を繰り返すAを少し気分転換に出す為に飲みに誘った。


前々からちゃんとしてるのかしてないのかよくわからない狂人は付き合いが悪い。


というのも、Aは携帯などパソコン以外の電子機器はあまり触らず、電話には中々出ないのだ。


今日偶々電話を手に取って飲みの誘いに乗ってくれたこと自体レアだ。


何気にAも家入の事を気に入っており、いつもの様な悪態は少ない。


後々、五条や伊地知、七海も参加する飲み会は最初、二人で始まった。


「何飲みます?」


『スッポンの生き血でもあれば飲んだんだがな…』


「悪魔でも召喚する気ですか。」


『冗談だ。じゃ、レモンチューハイ。』


生き血を飲むAを容易に想像できた家入だが、口には出さずお冷ごと喉に押し込んだ。

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りゅう(プロフ) - リガロさんこんばんは!こちらの小説拝見致しました!また違ったお話で読んでいて大変楽しいです!夢主もやることは凄いですが時々見せる優しが伝わります! (2021年2月20日 18時) (レス) id: 70aa81165b (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ100%(プロフ) - いいですね!!いい感じに性癖にヒットしました!お気に入り登録と評価失礼します。m(_ _)m (2021年1月6日 12時) (レス) id: 812b1ab43b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リガロ | 作成日時:2021年1月2日 0時

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