episode.53 ページ3
◇貴方side
「安室さん、この道……」
安室「向かってるのは僕の家です。こんな事件の後だ。１人になりたくないでしょ？」
「え、でもそれじゃあ安室さんの迷惑に……」
安室「そんなことは考えなくていいんです。というか、僕があなたを１人にさせたくないだけですから。そんな僕のわがまま、聞いてくれませんか？」
「……はい、ありがとうございます」
その後安室さんは無言で助手席を開けてくれて、私の手をまた繋ぎながら自宅のあるマンションへ。
玄関に入り扉を閉めて鍵をかけた瞬間、安室さんの温もりが広がった。
安室「強盗犯が拳銃を所持していると聞いた時、あなたが撃たれてしまうんじゃないかって思ってしまって……」
「大丈夫ですよ、こうやって怪我なく戻ってこれたんですから……」
あの時の言葉……“大丈夫、絶対助けるから”
「途中で目隠しされた時、安室さんの声が聞こえた気がして……」
安室「ｯ！？」
「ハハッ変ですよね、安室さんはそこにいなかったのに。でも、安室さんに励まされた気がして……」
びっくりした顔をした安室さんは、背中に回っていた腕を力強く抱き締めてくれる。
安室「Aさん、もう貴方に怖い思いをさせたくない。だから、僕にあなたを守らせてくれませんか。友人としてではなく――」
“恋人として。”
安室さんの真っ直ぐな目に視線を逸らせなかった。
「……ほ、本当に？」
安室「貴方と数ヶ月前に初めて会って、貴方に助けてもらって、一緒にご飯を食べたりして……今までの真っ黒な僕の心が明るくなって……僕の中で貴方は大切な存在になっていました。どうかこんな僕のそばにいてくれませんか」
彼はは公安だ、しかも黒の組織という恐ろしい所に潜伏している身。さぞかし危険も多い事だろう。もしかしたらこの人と関わると私も危ない。それは彼も承知のはず。
それでも守りたいと言ってきた。こんな真っ直ぐに。
そんな事言われたら、私はこう言うしかなくなるじゃん……
「……はい、よろしくお願いします」
安室「はい！」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1265人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきな☆(プロフ) - 月切 蛍さん» コメントありがとうございます。喜んで頂けたようで良かった！嬉しいです！ありがとうございます！ (2021年3月30日 13時) (
レス) id: ccfc63a9dd (このIDを非表示/違反報告)
月切 蛍(プロフ) - すっごい作品に出会えました！こんなに良い作品を作ってくださりありがとうございます！！これからも読ませていただきます！ (2021年3月30日 13時) (レス) id: 34c99d5432 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな☆(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます！どんどん続きを書いているので、これからもよろしくお願いします！ (2019年8月25日 18時) (レス) id: eaaa1b941d (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです！！！続きの話があることにここまで喜びを感じたのは初めて... (2019年8月25日 18時) (レス) id: a029c04e11 (このIDを非表示/違反報告)
J(プロフ) - またまた失礼します！さすがですね！また（よっしゃーっ）て思ってました(笑)面白かったです。続きを楽しみにしています！ (2019年8月24日 18時) (レス) id: 4c9f9f3930 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆな
| 作成日時：2019年7月27日 12時
