episode.22 ページ22
◆安室side
今日は僕とマスターの2人のシフトだ。
マスター「今日は暇だねぇ」
「そうですね。それにこんなに暖かいと、眠たくなってしまいそうです」
マスター「確かに、こんな日にはお昼寝はもってこいだ」
「もしここにAさんが居たら「仕事してください」って言われそうです」ハハッ
マスター「確かにそうだね。
安室君、なんか変わったね」
「………?そうですか?」
マスター「うん。心から笑えてる」
「…………それって、前は笑顔が下手くそだってことですか?上手になって良かったです」
マスター「うん、それでいいよ」
するとマスターはカウンター席に座って、僕と向き合う形で座った。
マスター「ここからは長い独り言だから」
「マスター?」
マスター「ある女の子がいたんだ_______
小さい頃から料理やお菓子の大好きな女の子で、それが楽しそうに作るんだ。
その子は夢を持っててね、いつかみんなに美味しいって言って貰えるようなものを作れる人になりたいって。
そして彼女は料理やお菓子の世界に飛び立ったんだ。」
この話は、Aさんのことだろうか……………
マスターは優しそうな表情で話す。
マスター「その後はね、大変なこともあっただろうけどすごく充実した日々だった。
けどある年、それはいきなりやってきた___」
「……………」
マスター「その1年はね、悪夢だった____
職場やプライベート、僕は詳しくは知らないんだけどそれはもう酷いものだったらしい。
そしてそこに追い打ちをかけるように、彼女の両親が亡くなってしまった。
彼女の精神はズタズタだったよ。
そこからかな。彼女がおかしくなったのは。
仕事も辞めて、家から出なくて、お酒に入り浸り鬱やアルコール中毒にまでなっちゃって。そして男性恐怖症にもなってしまった。」
男性恐怖症………ということは男性が絡んでるということか。
マスター「三年前、その子の叔父が彼女を保護したんだ。
見つけた時はもうほんとに酷くてね。今はだいぶ良くなったけど、たまに心が不安定になったりするんだ。」
話し方からして、叔父はマスターだろう。
マスター「安室君、Aちゃんのこと、よろしくね」
「はい」
彼女のこと、必ず守ってみせますと心に誓った____
.
195人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきな☆(プロフ) - 花子くんさん» コメントありがとうございます!時間がかかると思いますが、書いてみたいと思います! (2020年3月17日 19時) (レス) id: a837b3f847 (このIDを非表示/違反報告)
花子くん - とっても面白かったです。番外編が読みたいです。 (2020年3月17日 13時) (レス) id: c2e5a10dd5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな☆(プロフ) - 明里香さん» 教えて下さりありがとうございます(><) (2019年11月28日 8時) (レス) id: eaaa1b941d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。男性に形容する場合は「貴女」ではなく、「貴方」です。 (2019年11月27日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな☆(プロフ) - yukari20164さん» こんばんは!読んでいただいてありがとうございます!凄く嬉しいです!この後読ませて頂きますね! (2019年9月30日 20時) (レス) id: eaaa1b941d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆきな☆ | 作成日時:2019年7月3日 20時