episode.107 ページ7
◇貴方side
大人しく布団に入って、安室さんに背を向けた。だめだ、気にしたら負けだ。落ち着け、焦りは最大のトラップだ。
「……」
もう一度見た、私の手。小さな、子供の手だ。まさか、私がこんな事になるなんて。
青山『 �爐海辰舛砲�いで�� 』
もう、大丈夫だと思っていたのに。身体が小さくて物理的に向こうが大きな存在だったからなのか。
「……なんで、来てくれたんですか？こんな、私の所に」
起きてるかもわからない背中越しの人物に問いかけてしまった。
安室「……当たり前じゃないですか」
「……」
安室「……Aさん」
「……助けて貰える権利ない」
安室「助けたかったから助けた。権利なんてもの最初っからないですよ」
「……だって、だって、私嘘つきｯ……」
安室「そんな事、ないじゃないですか」
「だってｯ……だってｯ……私なんてｯ……違う世界でｯ……ｯ！？」
泣きわめく子供のように、口が滑ってしまった。駄目だ、この先は。
安室「世界……？」
彼の顔は見えないが、疑念を抱いている事だろう。
駄目だ、ここにいては例え喋らないように我慢していても勝手にこの口が声を発してしまいそうだ。
そう思って咄嗟に布団から降りようとしたけれど、それは出来なかった。右腕を掴まれてしまったからだ。
安室「待って」
「……」
安室「……」
「……」
しばらくの沈黙、それを破ったのはこの腕を掴んでいる彼だ。
安室「……聞いても、いいでしょうか」
「……」
安室「先程の、言いかけた事……」
「ｯ……」
安室「貴方の、生まれは？」
「ｯ……」
安室「Aさん」
「ｯ……東京都ｯ…〇〇区、△△△」
これは、この世界では存在しない住所だ。
ぱっとそれを聞いて気が付くのかは分からないけれど、この顔じゃ知らない住所だという事に気付かれたのだろう。
「ｯ……ごめんなさい」
安室「何故、謝るんですか」
「……嘘つき、だから」
降谷「君がそう言うなら、俺だって嘘つきだ、沢山、嘘をついてきた。偽りの人物を作った。�牋村柴��瓩箸いΑ�偽りの顔を」
「ｯ……」
．
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ゆな(プロフ) - 雨樂さん» 素敵なコメントありがとうございます。嬉しいです！ (2022年10月9日 12時) (
レス) id: eaaa1b941d (このIDを非表示/違反報告)
雨樂 - 一気読みしちゃいました、面白かったです！ (2022年10月9日 11時) (レス) id: 11e737edc5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな☆(プロフ) - トパーズさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです！頑張ります！ (2021年5月6日 7時) (レス) id: eaaa1b941d (このIDを非表示/違反報告)
トパーズ - 物凄く面白かったです！素敵な物語でした！書いてくれてありがとうございます！これからも他の作品頑張ってください！ (2021年5月6日 4時) (レス) id: 09b28cb614 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな☆(プロフ) - ぷぅさん» そう言ってもらえて嬉しいです(^-^)こちらこそありがとう！ (2021年1月31日 19時) (レス) id: eaaa1b941d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆな
| 作成日時：2020年11月7日 14時
