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episode.2 ページ2

□有栖川side



私は、編集社の社員の有栖川凛。


そして、覆面作家で有名な早乙女A先生の担当編集者である。


早乙女先生は、《榎戸壮真(えとそうま)》というペンネームで活動している大人気作家だ。


だが、編集社では色々な意味で有名でもある。


あの性格だから、当時担当編集者がなかなか決まらなくて。


決まっても会って貰えずに電話で一刀両断される。それに覆面作家であるから色々と苦労する事もあるし、外に出たがらないし、あの性格だ。


だから、皆は先生のご機嫌取りは難しいとやりたがらないのだ。けれど、私はそう思わない。というかご機嫌取りなんて、それでも編集社かってんだ。


先生はちゃんと締め切り守ってくれるし口ではああ言っているけれど優しい所もある。気が付かないなんて馬鹿なんじゃない?いっその事やめちまえ。


それに、そういう先生だからこそ彼女の書く小説が面白いのかもしれないと私は思う。先生の書く世界観が、他の小説家の書く世界とはまるっきり違うのだ。


最初に《榎戸壮真先生》を知ったのは、編集社に入る数年前。凄く好きな小説で、この会社に入ったきっかけでもあった。


そして担当が回ってきた時に凄く驚いた。何というか、私を見る目が怖かった。それと同時に、私より若い彼女があんな素晴らしい小説を書いているのかと尊敬もした。だから、ここまで根気強く付き合えたのだと思う。


「……お酒、か」


会社帰りに先生の為にスーパーに寄って、一週間分の食材を購入する。これは、担当になってからずっとしてきたことで、最初に会った時はもう骨同然だった先生を見て始めたのだ。まぁ、先生外出たがらないから当然か。律儀とは言われるけれどね。


けれど、それ以前はどうしてたんだろうか。と疑問に思うけどどうせ聞いても教えてもらえないんだろうな。


ふとお酒コーナーに足を止めた。


そういえばと、あのニュースのことを思い出した。コードネームがお酒の名前だって言ってたような。


先生の次回作に少しでも参考になればと色々観察しているけれど、これはいいかもしれない。


「ジン……ラムってお菓子に入ってたりするやつよね……ウイスキーもいいかも。それに、キールに……」


先生の家のリビングに大量のお酒を並べてしまおうか。嫌がらせかと言われるのが目に見えるけれど……


?「お酒がお好きなんですか?」


「っ!?!?」


.

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ゆきな☆(プロフ) - paruさん» コメントありがとう御座います!嬉しいです! (2021年5月22日 9時) (レス) id: eaaa1b941d (このIDを非表示/違反報告)
paru - めっちゃ好きです!凄く面白かったです! (2021年5月21日 21時) (レス) id: 43a47d8e0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきな☆ | 作成日時:2020年11月6日 11時

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