episode.144 ページ44
◇貴方side
ベル「それで？私が答えたのだから、私の質問にも答えてもらえるのよね。貴方はいったい何者なの？」
「そうですね……私は降谷Aですが、貴方の知っている降谷Aではありません」
ベル「……どういう事かしら」
「私は、こちらの世界の彼女に呼ばれた、違う世界の降谷Aです」
彼女がそれを聞いた時、目を見開いて驚いていた。無理もない、普通ならあり得ない話なのだから。
ベル「……なるほどね、それは今回のあの組織を潰したことと関係があるという事かしら」
「はい、彼女の家族を救ってとお願いされたので」
ベル「……そう」
そう一言を残して彼女は視線をカクテルの方に向けて残りをすべて喉に流し込んだ。
ベル「……そしたら、私もお礼を言わなきゃね。ありがとう」
「え？」
ベル「私にとって、彼女は大切な存在だから。本当は私が手を貸したかったけれど、自由に動けないから……」
大切な。それはどういう意味なのだろうか。
ベル「初めて会ったのは二年前。その日、私はちょっとヘマして傷を負ってしまったの。それを助けてくれたのは彼女だった。
そして、気が付いたらベッドの上だった。無意識に救急車は呼ばないでって言っていたらしくて、近くにあった彼女の別荘に運んでくれていたの」
そういえば、お父さんが言ってたな。別荘があるって。まだ行った事ないけれど。
ベル「彼女は内気で静かな性格だったけれど、一生懸命動けない私を介抱してくれたわ。それが嬉しくて。それからちょくちょく会っていたの。
私の正体は教えてなかったけれど、救急車を呼べないところや、あんな怪我を負っている所で大体は気付いていたのかもしれない。けれど、すごく嬉しそうにお話してくれて。好きだった」
「そう、ですか……」
ベル「そんな彼女の願いを叶えてくれて感謝してるわ」
いつもとは違う、優しくて、暖かい笑顔を向けてくれた。
ベル「今日はありがとう、お陰でスッキリしたわ。今度またお話ししましょう。お茶でもしながら。Bye kitty.」
「はい、ありがとうございます」
本当は、怖かった。
この人は、銃を撃てる人だから。意味不明なことを言われて命を狙われてしまうんじゃないだろうか。不安でいっぱいだった。
けれど、真実を知りたかったから。だから彼女を呼んで口が勝手に動いていた。
心が、軽くなった気がした。
．
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ゆきな☆(プロフ) - 明里香さん» 教えて下さりありがとうございます！すぐ直します！ (2020年11月4日 16時) (
レス) id: eaaa1b941d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 143話に誤字がありました。「部屋にいは」ではなく、「部屋には」です。 (2020年11月4日 16時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな☆(プロフ) - 明里香さん» わ、ほんとだ！？教えて下さりありがとうございます！！直ぐに直しますね！！ (2020年10月28日 9時) (レス) id: eaaa1b941d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 126話に誤字がありました。「行かざるおえない」ではなく、「行かざるをえない」です。 (2020年10月28日 9時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな☆(プロフ) - ナミさん» コメントありがとうございます！喜んでくださって嬉しいです！難しいかもしれませんが頑張ってみます！ (2020年10月17日 16時) (レス) id: eaaa1b941d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆな
| 作成日時：2020年7月24日 9時
