【呪術廻戦】彼女が最期に、残したもの。

彼女の想い。そして、真実。 ページ24

◇柚月side



五条「僕さぁ、夢があるんだよね」


同棲して少し経った頃に言いだした恋人。夢？と聞いてみたら、


五条「この、腐った呪術界をリセットしたい」


リセット、それはこの世界を新しくするという事。上層部の奴らを殺して新しい人達を置き換える事は簡単。けど、そんな事をしても無駄。誰も付いてくることもない。


五条「だから、新しい人材を育てたい」


強い仲間を、育てる。それが正しいと考えているのだろう。


その夢を語る彼の目は、輝いていた。


「うん、私もいいと思う」


この世界を変える。


それは賛成だ。


けど、難しい事だってある。


五条「その為に、教師になりたいなって思ってるんだ」


悟が教師かぁ、想像がつかないなぁ。けど、悟は最強の呪術師。皆が憧れる存在だ。きっと、生徒達はそれに向かって歩き出す。


「じゃあ、私は支えなきゃね」


五条「ほんと？嬉しいなぁ、じゃあ頑張っちゃおうかな」


あはは、頑張ってね、五条先生。







それから、私への任務が多くなった。


私は１級術師だ、当然特級案件だって回ってくることもある。しかも、今は繁忙期だ。けれど、こんなに寝る間もなく雪崩のように舞い込んでくるのはおかしい。


すぐに分かった、これは上層部の仕業だ。


悟は、世代交代で五条家当主となった。そんな悟に今は手を出せない。だから、恋人である私に矛先が向いた。



家入「アンタさぁ、大丈夫？」


「何が？」


家入「何が、じゃないよ。怪我してこっちに来るの多くなってんじゃん」


そうだね、ごめんね硝子。けど、今の忙しい悟に怪我した私を見られるわけにはいかないんだ。私にまで気を回さなくていい、そんな事よりも悟の夢である教師になる為に頑張ってほしいから。



五条「柚月、最近疲れてるね。大丈夫？」


うん、大丈夫だよ。今は繁忙期だし、任務量が多いのは普通でしょ？と答えると無理しちゃダメだよ、と返してきた。それよりも、勉強の方はどう？と話題を変える。


そうだねぇ、まぁ僕は頭もいいから楽勝っしょ。とニシシと笑って親指を立ててグッドサインを出してくる。うん、良かった。安心だよ。


私に任務が回ってくるという事は、その分悟に回ってくる任務が減るという事。なら、私も悟の為に任務を頑張らなきゃ。


………………………………………………そう、悟の為に。夢に向かって、頑張る悟の為に。


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