【呪術廻戦】彼女が最期に、残したもの。

episode.20 ページ20

◆五条side



あれから、１０年が経った。


Aが小さかった頃が、つい昨日のように覚えている。


貴方「晴れて良かったね」


「そうだね、予報だと今日１日晴れだってさ」


ほんと！と喜ぶ娘。元気に、美人さんに育ってくれて本当に嬉しいよ。


「今日は？」


貴方「この後任務があって、それから野薔薇さん達が誕生日祝ってくれるって！」


そう、今日はAの誕生日。だから、１５歳になった。


子供の成長は恐ろしいほど早い。



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿そして、



貴方「久しぶり、お母さん」


そう、柚月の命日でもある。


大きくなって、この事をきちんと話した時のAは、「そっか」と笑った。けど、何でもないように見せてもまだまだ子供。



『私のせいでお母さんが死んだ』



と思っている事は分かってはいたんだ。




_____________________以前の僕のように。




「……………柚月、Aこんなに大きくなったよ」


そう、柚月の墓の前に手を合わせる。


「お前が最期に愛した、愛しい僕らの娘は」


柚月の最期に立ち会った助産師にこの前会った。傑が見つけてくれたんだ。


そして、柚月の最期の言葉。



「_____愛してる。どうか、幸せになって。A」



僕が唐突に言ったその言葉に、Aが驚く。


「……………って、言ったんだって」


お母さんの最期の言葉だよ。


．

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