たとえ足が動かなくても、私は自分の宝物達を守ってみせる。

episode.21 ページ21

◆降谷side



「君にも仕事があったのに、悪かったな」


風見『いえ、では失礼します』


風見からの電話を切り、先程送られてきたパソコンのメールを開く。


少し前に風見に頼んでいた“ある薬”


アルネイスが落として言ったものを、調べてもらっていたが………


「これは…………睡眠薬？………ｯいや、これは………」


見た目はただの睡眠薬、病院で処方される薬だ。


だか、中の成分が少し変わっている。専門の薬剤師に確認しても、初めて見た薬だと言われたらしい。これは合法薬でもなければ違法薬でもない……


「アルネイス自身が飲んでいたとなると………」


どんどん謎に包まれていく黒の組織の人物-アルネイス-


以前その人物の過去を調べてみようと探ったが、名前は誰にも言ってないらしい。名前が分からなければ調べようがないからな。


ベルモットに聞いてみたが、彼女もよく分からないと言っていた。会う度会う度変装でコロコロ顔や声を変えているため、本当の顔すらも分からないらしい。


「調べれば調べるほど、闇に包まれてくみたいだ……」


自分は情報収集に長けている方だと思っていたが、これはさすがにお手上げ。


「とりあえず、これからの任務で直接探ってくしかないな………」


Prrrrrrrrr.......Prrrrrrrrr.......


「はい降谷です」


佐藤『ようお疲れ、今大丈夫か』


「はい」


彼は俺の上司、佐藤源二さんだ。俺の憧れの人。


佐藤『ヤタガラスから情報が来た。最近勢力を広めている組織だ。情報をそっちにも送るからからお前も作戦に参加してくれ。決行は明後日だ』


ヤタガラスとは佐藤さんの協力者。優秀な情報屋で俺達がなかなか入り込めない所の情報も、いとも簡単に持ってくる。実際に会ったことはないが、いつか会ってみたいとは思っている。


「了解です」




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