第百一夜 ページ4
◇貴方side
意識が戻った。
いや、戻された。
気が付いたら、後ろにあった壁に激突していて、腹あたりが痛い。蹴られた………
誰に………?
「おかあッ……さんッ……」
そう呼べば、目の前にいるAKUMAにされてしまった母親の身体はにこりと微笑む。
違うッ…………
夢の中に出てきたお母さんは、
そんな笑い方じゃないッ………
そんなことは知らない、そう言っているみたいに間合いを詰めてきて両手を変形された鎌のようなもので私の首目がけて振り、私はそれを紅姫で防ぐ。
いや、防ぐことしかできなかった。
破壊しなければ。
そうは思っても、できない私がいる。
ここに来るまで、ちゃんと覚悟はしていた。
たぶん、いや、絶対に私の所にこのAKUMAはくると分かっていたから。
この、手元にあるもう一つの小刀。ダークマターを切り離すことが出来るものがあったとしても、伯爵が私を巻き込んで自爆しろと命令されてしまえばもう打つ手はない。
そんなことをされてしまうんだったら、私の手で破壊する。そう決めていた。
なのに、
(何よッ………この有様はッ……)
ユウがいたら、たぶん馬鹿かとか、根性なしとか言われるんだろうけれど。
でも、分かってても自分で母親に凶器を向けることに躊躇いがある。
AKUMS「A」
「ッ………」
その声でッ……
その顔でッ……
私を呼ばないでッ……
AKUMA「A」
やめてッ…………
やめてッ…………
こないでッ…………
『今更何ビビってんだッ馬鹿かッ!!』
「ッ!?」
『こっちまでそんなの飛ばしてくんなッ!!ウジウジ言ってる暇があんなら、さっさと破壊しろよッ!!』
あれ、
「…………うん、ごめん」
『さっさと終わらせろよ』
「うん、片つけてくる」
『あぁ』
「…………はぁぁぁぁぁぁぁ、」
うわー、無意識にユウに送ってたなんて;
「恥ずかしいね;ほんと;」
AKUMA「A」
「待ってて、今すぐ楽にしてあげるよ」
紅姫をしっかりと握りなおす。
間合いを詰めてきたAKUMA。九尾孤の尻尾で、両手の鎌を食い止める。
そして、胸辺りに一刺し。
AKUMA「Aッ………なんでッ………」
「…………じゃあね、お母さん」
九尾孤で飛びのき、一緒に刺した紅姫を引っこ抜く。
目の前で、爆発した。
じゃあね。
私は、ちゃんと生きるよ。
ちゃんと生きて、お母さんの所に行くから。
「待ってて、ね」
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ゆきな☆(プロフ) - ozだぁ〜さん» わぁ!嬉しいです!ありがとうございます! (2021年4月29日 12時) (レス) id: eaaa1b941d (このIDを非表示/違反報告)
ozだぁ〜 - ヤバいです!感動だぁー!!神田ユウ様愛してますっっ!! (2021年4月29日 12時) (レス) id: 23f9dcf647 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - 是非書いてほしいです!楽しみにしてます!! (2020年4月28日 19時) (レス) id: fe45ff59f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな☆(プロフ) - ヒナさん» コメントありがとうございます!本当に神田大好きなので出来たらもう1つ作品作りたいな〜なんて思ってます笑 (2020年4月25日 7時) (レス) id: eaaa1b941d (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - 完結おめでとうございます!!神田の小説は少なくて…また、書いてくれると嬉しいです!! (2020年4月24日 21時) (レス) id: fe45ff59f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきな☆ | 作成日時:2020年4月1日 16時