episode.159 ページ7
◇貴方side
集合場所にやっと着いた。見たところ、まだ赤井さんの姿は見えなくてホッと胸を撫で下ろす。
良かった、間に合った。てか赤井さんの方が用事があって私は余裕だったはずなのになんなんだこの慌てよう。
ふと、近くにあるお店のガラス張りに映る自分の姿が見えた。
やっぱ、変だったかな……
勢いで着てきたスカートスタイル。ちょっと高いヒールも履いてきた。
いつもとは違うってちょっと恥ずかしいというか、そわそわして落ち着かない……
「……！？」
あ、赤井さんだ！
遠くに見える赤井さん。周りをきょろきょろして私を捜しているのか。こっちからしたら赤井さん背高いから一発で分かる。ありがたいな。
「ｯ！？」
近づこうと歩き出した瞬間に赤井さんに誰かが話しかけた。
女の人が二人！？
うわ、美人さん達だ。スカートすごく着こなしてるわ。やば。あれが美女というやつか。
ナンパ？？赤井さんイケメンだからなぁ。そりゃあ外歩いたら声掛けられるわな。さすが赤井さん。
ちょっと胸のあたりがチクってきたけど。ちょっとよ、ちょっと。
赤井「A」
「ん！？」
赤井「やっと見つけた、何回も電話掛けたんだが」
「え、」
後ろの方にはしょぼーんとして去っていくさっきの女性二人。
あ、ほんとだ。スマホに不在着信。全然気付かなかった。
「……」
赤井「何だか、不機嫌だな」
「え、」
赤井「嫉妬か？」
「ちがっ……」
赤井「ククッ、なら俺のhoneyのご機嫌を取らなければな」
「ちょ！？」
外でhoneyは止めてぇぇぇぇぇｯ恥ずかしいぃぃぃぃぃｯ！！！
赤井「さ、行こうか。お手をどうぞ、Princess」
ちょっとちょっと次はPrincess！？
なんか顔は意地悪顔だし。
「……意地悪してます？」
赤井「ククッ。さぁ、どうだろうな」
「なっ！？」
赤井「すまんすまん。honeyが可愛くて、ついな」
「赤井さんもう喋んないでｯ！！」
赤井「君が“秀一”と呼んでくれるなら」
「〜〜ｯそのままでいいですｯ！！」
赤井「ククッ」
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作者名：ゆな
| 作成日時：2019年12月4日 19時
