episode.185 ページ33
□灰原side
コナン『で、なんでAさんのスマホから灰原が出るんだよ。本人は？』
「死んでるわ」
部屋の隅っこで、膝を抱えて。
コナン『さっさと仲直りしちまえばいいのに』
「あら、あなた彼女にそんな事言ったら鉄拳喰らうわよ。女にはね、時間が必要なときもあるのよ」
コナン『へぇ』
「だから、今はそっとしてあげることね」
コナン『だがよー、これからの事聞けないじゃねぇかよ』
「自分で何とかする事ね」
コナン『ちぇ、じゃあAさんが復活したら連絡してくれよ』
「はいはい、じゃあ切るわね」
Aさん、今は死んでるって言ったけれど、仕事はちゃんとするのよね。
オンオフがちゃんと出来てる。さすが、って言ったとこかしら。
「Aさん、何か飲む？」
貴方「哀ちゃん、ありがと。ごめんね」
「謝らなくていいわよ。貴方は姉を救ってくれた、私もね。だから遠慮しなくていいのよ」
貴方「……うん」
「ココアでいいかしら」
貴方「うん、ありがと」
ココアを作りに行って、戻ってくるとずっとスマホを持って見つめてた。
本当は謝りたいのね。
でも、勇気が出ないってとこかしら。
「そんなに焦らなくていいんじゃない？」
貴方「え？」
「どうせ向こうのことだから、貴方が連絡するまで待ってるでしょうから」
貴方「……うん」
「逆に、慌てさせてみるのも手ね」
貴方「え、」
「面白そうよ」
貴方「あははっ、そうかもね」
やっと、笑ったわね。
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作者名：ゆな
| 作成日時：2019年12月4日 19時
