episode.166 ページ14
◇貴方side
「えぇーっと、タダイマカエリマシタ？」
赤井「あぁ、おかえり」
「で、これ何です？？」
そう、仕事から帰ってきた途端に赤井さんに捕まりました。
後ろは壁。右と左は彼の腕で逃げられません。
やばいよやばいよどうしましょうっっ！！
私を殺す気ですか赤井さんｯ！？？
だめだｯポーカーフェイスを忘れるなｯ！！
忘れたら最後、表情筋が崩壊どころじゃすまされませんぞｯ！？
「……退いてくれません？」
赤井「嫌だ、っと言ったら？」
鼻血吹き出しますよ。
辺り一面血の海です。
どこかの誰かさんが大好きな事件が始まりますよ。
「じゃあなんです、これ……」
赤井「A、俺に何か隠してないか？」
隠して……？
「え、？」
赤井「とぼけるのか」
いや、分かりませんって。
赤井「じゃあ、なんでキッチンの調味料が減ってるんだ」
「……あ、」
え、ちょっと待とうか赤井さん。
え、気付かれた？
料理練習してるの！？
ん、ちょっと待て。気付かれたとしても、じゃあなんでこの人怒ってるの？
赤井「今日、降谷君に会ったんだ」
あ、嫌な予感。
赤井「この前、公安に差し入れしたそうじゃないか。君の作ったおにぎりを」
oh……死んだな、これは。
顔が怖いよ、ブラック赤井さん。
赤井「しかも、前にもあったそうじゃないか。降谷君に料理を作ったことが」
ちょっと待って、降谷さんんんんんんんｯ！？
何てこと言ってるのののののののおおおおおおｯ！？！？
やべぇ、アメリカンポリスに尋問されてる気分だ……
赤井「なんで降谷君には作って、俺には作ってくれないんだ」
ひえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇｯ！？！？！？！？
赤井「……」
「ご……ごめんなさい」
赤井「俺には、作ってくれないのか……」
あ、耳と尻尾が見える。しょぼーんってしちゃったよ。
「え、あ、えっと、美味しいの、食べてもらいたくって……」
赤井「っ！？」
「おにぎりなら、ちょっと上手になったので、食べてもらえますか？」
赤井「っ！！あぁ！！」
やべぇ、めっちゃ嬉しそうだ……！？
ということで、毎日お昼用としておにぎりを作るって事で許してもらえることになりました。
めでたしめでたし。
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作者名：ゆな
| 作成日時：2019年12月4日 19時
