episode.112 ページ10
◇貴方side
「あぁ〜おーわーらーなーいー……」
さっき通常業務が終わって、残業としてこの山積みになった書類ちゃん達と格闘中。
これは徹夜コースだ……
「赤井さん、元気かな……」
ずっと、ずっと、謝りたくて待ってたのに。
いざ彼が起きたらこれって……
まじで降谷さん鬼だわ。プライドエベレストの金髪ゴリラめ。
バナナでも食ってろ。
「あ〜もう……」
その時、ドンドンと走る足音が聞こえてきた。
誰だよ病院内走ってるやつ。
そんなふうに思ってるといきなりこの部屋のドアが開かれた。
「……え、」
赤井「やっと、見つけた……」
「……は？」
そしていきなり腕を掴まれて。
赤井「やっと捕まえたぞ」
「いやいやいや、なんでこんなとこいるんです？」
赤井「君が全然来ないからじゃないか」
「何抜け出してるんですか患者さん」
赤井「もう治ってる」
「さすがFBIですね……」
この人４ヶ月も眠ってたはずなのに。回復能力桁違いだな。
赤井「なんで来てくれなかったんだ。ジョディ達から、俺が起きる前は何回も来てくれていたと聞いたんだが？」
「……誰かさんに意地悪されたんで」
赤井「は？」
「机の書類の山、見えませんか」
赤井「……あぁ、そうか……そうだったのか……てっきり、まだ嫌われているんだと……」
赤井さんの早とちり？いや、あのゴリラのせい？いや、全面的にあの金髪ゴリラが悪い。
赤井「……すまなかった」
「……謝るのは私の方ですよ」
赤井「いや、俺が悪かった。そして、ずっと君に会いたかった。言いたかった事があったから」
「……ｯ！？」
どんな言葉なの？
私はちゃんと受け止められる？
赤井「……そんな顔をしないでくれ。聞いてくれるだけでいい」
「……」
赤井「君は言ったな、俺が彼女を見続けている現実を受け止められないと。だが、その《彼女》とは……きっと君と俺とでは一致していない」
「……は？明美ちゃんでしょ？」
赤井「違う。……君だ。俺はずっと、君を見ていた」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 266人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆな
| 作成日時：2019年11月18日 11時
