episode.113 ページ11
◇貴方side
赤井「君に嫌われたっていい。だが、これだけは君の心の中にとどめておいてほしい。俺は、君のことが好きなんだ。他の誰でもない、君が」
「……」
赤井「……」
「……はぁっ！？」
え、え、ちょっと待ってなにこれ。
どういうこと？
聞き間違い？いやはっきり聞こえた。
私、そんな言葉貰う権利ないよ？
だって、貴方の目線は私に向いてなかったでしょ？
明美ちゃんのを聞いて違う人に向いてるんだって思ってたのに。
え、どういうこと？
え、ホントなの？
え、赤井さん？
赤井「……混乱させてしまってすまない。俺は、君に伝わっただけで満足だ」
え、ちょっと待って……
赤井「大人しく、病人は病室に戻るとするよ」
あ、ちょ、待って！！え、行っちゃうの！？
「待ってｯ！！」
ドアに向かって歩き出してた彼の手を掴むと、驚いた顔で振り向いた彼。
「あ……」
すぐに後悔した。
え、待って、なんて言えばいい？
伝えてもいいの？
あんなに傷つけた私なんかに。
ずっと言いたかった言葉を。
伝える権利なんてあるの？
赤井「なんでも、受け止めてやる」
もうこれ以上、
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿後悔だけは、したくない。
……ん、だけど……
「あー、えっと……」
赤井「……」
「その、えっと……」
……私のアホ。なんて言ったらいいか分からないとか、小学生かよ。止めておいて何言ってんだ。
「その、ですね……何と言うか、その……赤井さんが、こんなこと言うの、全く、思ってなかったものですから、その……ほんと、ですか？」
赤井「俺はいつだって本気だが」
「……４ヶ月も寝てて、頭おかしくなったりとか、してません……？」
赤井「な訳ないだろ」
「……」
何言ってるんだ、私。ちょっと待って。
赤井「……ククッ」
「え？」
赤井「ククッ……ククッ……アハハっ……」
「……あの、赤井さん？」
赤井「あぁいや、すまない。君のこんな姿を見たのがだいぶ久しぶりなものでな。嬉しくてつい」
「……」
すみませんね、臆病者なものですからあなたに全然会ってませんでしたし。
「その、ですね……」
赤井「ゆっくりでいい、君の話ならいくらでも聞くさ」
……何このイケメン。こんな人にあんなこと言われちゃったの、私。
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作者名：ゆな
| 作成日時：2019年11月18日 11時
