誰か、スパダリのせいでショート寸前の私を助けてください。2

episode.87 ページ37

◇貴方side



「お仕事は大丈夫？」


零「あぁ、大丈夫だよ。雫、代わろうか」


「お疲れでしょ？」


零「いいよ、代わる」


そう言って、私の付けている抱っこ紐の中で眠っている雫を持ち上げてくれて。何とも出来た旦那である。超過保護だが。でもやっぱり抱っこする姿はとても絵になる。本人がカッコいいから余計に。


零「今日早く帰れるから、７時頃になるかな」


霜「え！ぱぱはやくかえってくるのー！」


零「うおっ！？」


雫を抱っこしていた零さんの足に抱き着いてきた霜。うらやましそうな顔しないでお父さん。


霜「まま！まま！あれ！」


「はいはい、これ？」


零「お手紙？幼稚園か？」


「そう、運動会が来週あって」


霜「ぱぱ！いっしょにかけっこしよ！」


父「なっ！霜！じいじとは！？」


霜「ぱぱがいい！」


父「霜〜……」


「うるさいよ、お父さん」


父の落ち込みように部下の皆さんは大爆笑。


零「よし、この日はちゃんと休みを取ってくるよ」


霜「ぱぱこれるの！」


零「あぁ、一緒にかけっこしような」


霜「わぁーい！」


現役警察官の零さんが走ったら、どうなっちゃうのだろうか。ぶっちぎりの一位を取れそうな気がする。


ママと走ろうか？そう昨日言ってみたものの霜は絶対にパパと走りたいらしくて。




霜『おっきくなったらね、はぱぱみたいなけいさつかんになるんだ！！』




らしい。さすが、零さんの子。


「ほら、そろそろ帰ろっか。お仕事の邪魔になっちゃうから」


霜「えぇー」


父「えぇー」


「お父さん」


父「最近、だいぶ母さんに似てきたよな。怒り方とか」


「本物呼ぼうか？」


父「はい、ごめんなさい」


霜「まだぱぱといるー！」


「こーら、霜」


あ、いじけモードに入っちゃった？


零「霜、パパが帰るまでママを守ってくれるか？」


霜「まもる？」


零「あぁ。霜にしかできないんだ。出来るか？」


霜「うん！まままもる！」


零「よぅし、いい子だ」


おぉ、さすが。


零「下まで送る」


霜「まま！かえろ！」


「うん、じゃあお邪魔しました」


部下「ばいばーい」


父「またな〜〜」


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