誰か、スパダリのせいでショート寸前の私を助けてください。2

episode.70 ページ20

◇貴方side



「あ、目が覚めました？」


ぼーっとしてる降谷さん。こんな降谷さん初めて見たかも。


降谷「……風見か」


「あ、はい、ここまで運んでいただいて」


降谷「……ごめん、心配かけたね」


「いえいえ、こっちこそ、無理をさせてしまったみたいで……」


降谷「……風見だな？」


「あ、はい、」


降谷「はぁ……君は気にしなくていいよ。遅かれ早かれ潰す予定だったから。Aのせいじゃないから、そんな顔しないで」


だけど、体調不良だったのに……


「……あ、お粥食べます？」


降谷「作ってくれたのか」


「はい、勝手にキッチン使っちゃいました」


降谷「ううん、ありがとう」


食べたいって言ってくれて。すぐにキッチンに戻って作ったお粥を温め直して持っていった。


降谷「なぁ、俺のスマホ…」


「あぁ！ダメですよ！」


降谷「え、」




風見『降谷さんに、スマホを渡さないようにしてください。絶対ですよ』




仕事をしてしまいますから、と風見さんから仰せつかっておりまして。だから私のバッグの中にあります。スマホのありかも絶対教えませんよ。


「だから、今日はスマホ没収です」


降谷「……風見め……」


「お仕事関係はご心配なくと言ってましたので、今日はゆっくり休んでください！！」


降谷「……はぁ、参ったな……」


「はい、お粥持ってきましたよ。熱いかもしれないのて、気を付けてくださいね。あ、起きれます？」


降谷「ありがとう」


この前は逆だったな、そんなことを考えてたら自然と笑みがこぼれた。


いつも大人な降谷さんが、こんなに弱っているところを見た事がなくて。


だから、新鮮だなぁって思ってるのと、なにか役に立たなきゃって気持ちが溢れてる。


元気になってくださいね。


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