episode.42 ページ42
◇貴方side
ドライ「お前のこと、結構気に入ってたんだぜ?」
「……そう」
ドライ「だから、」
そう言いながら距離をつめてきて、自ずと自分も後ろに下がってしまい後ろにあったベッドに足が当たってもう下がれない。
「ッ!?」
ドライ「俺だけの女にしてやるよ」
「ッ…」
前から肩を押され、拳銃の銃口を向けながら組み敷かれた。手に持ってた拳銃も取られて遠くに放り投げられてしまった。
ドライ「警察なんか断ち切って、俺だけのお人形にしてやるよ。栞……」
やっぱり、警察だってバレてる。あのときの電話はこいつか。
そしてもう一つ腰に隠し持っていた拳銃も抜き取られて、絶体絶命な状態だ。
ドライ「楽しみだぜ、お前を俺だけの物に出来るなんてな」
どうする……武器が全部取られて敵に拳銃を向けられてる状況。
打開策が何も浮かばない。
どうする?
どうすれば……
「ッ!?」
――焦るな。焦りは最大のトラップだ。
冷静になれ。
私の持てる、あらゆる武器を駆使しろ。
「……ふふっ」
ドライ「……何がおかしい」
「私のことを、貴方だけの物にしたいだなんて。そんな事言ってくれるの?こんな、警察の犬でしかない私を……」
私は、彼の頬を撫でた後に腕を首に回して抱きついた。
「そんな風に言ってくれるなんて、嬉しいわ」
私は、ゼロだ。
「貴方に、いつでも会いたかったわ。
貴方の声を、聞いていたかった。
貴方の視線を、独り占めしたかった」
与えられた任務は、必ず遂行する。
「日に日に募ってくこの思いを、警察の犬でしかない私は消すしかなかった。それなのに……」
たとえ、何を使っても。
「嬉しいわ、ドライ。貴方が私を捕まえてくれるの?」
演じろ、結城栞を。
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作者名:ゆな | 作成日時:2019年9月18日 9時