episode.31 ページ31
◇貴方side
「ターゲットは確保した。回収と後処理よろしく」
風見『了解』
今回はある組織の掃討作戦。今潜入しているブラックキャットよりは小さいけど、今のうちに潰しておいた方がいいと上からの命令がでた。
「そっちは?」
風見『こちらも数分前に終わり、降谷さんは次のターゲットに行きました』
「分かった、じゃあ私はもう一つのほう行く」
確かそっちのターゲットは部下の瀬戸が追っていたはずだ。そう思い無線で彼に連絡をいれた。
「……?」
連絡をいれても彼からの返答がない。何かあったのか?嫌な予感がして急いで奴を追った。
周りの雑魚共を次々に戦闘不能にしていき奴を捜す。
それにしても、敵が少なすぎる。情報だとこの上の階に奴はいるはず。なのにこんなに少ないのはおかしい。逃げたか?
「ッ!?」
上の階を上りきって辺りを見回したら広い部屋にでた。人は誰もいなかったが、代わりに連絡が取れなかった瀬戸と、小さな女の子と……
「……爆弾か」
しかも特大なやつ。2人は気絶した状態で鎖で繋がれていてその先には爆弾と連結されている。
確かこの子は、数日前から行方不明だった子。資産家の娘だ。
この2人を助けるには、この爆弾を解除しなきゃいけない。けど、この手の爆弾は構造が複雑すぎて私じゃ解除できない。
どうする……どうすれば……
ふと、ポケットに入っていたスマホを取り出した。
「……」
今そんなことを考えてる場合じゃない。今の私が思いつく最善の策はこれしかないんだ。
Prrrrrrr........Prrrrrrr........
松田『はい』
「……今どこにいる?」
松田『どうした』
「爆弾に、部下達が繋がれちゃってるの。私じゃこの爆弾は解除できない……ごめん、手伝って」
松田『謝んなよ、場所は?』
「いい、このまま指示してくれればいいから」
こんな事初めてだ。
誰かに自分から助けを求めるなんて。
しかも大切な人に。
彼の指示の通りにコードを一つ一つ切っていく。
スマホ越しの彼の声は、凄く頼もしかった。
・
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作者名:ゆな | 作成日時:2019年9月18日 9時