すぐに足を治して、この国ごと自分の宝物達を守ってみせるよ。

episode.52 ページ2

◇貴方side



手術は無事成功。時間をかけてリハビリを続けてた結果、言われてたよりもずっと早く歩けるようにまでになり退院することになった。まだゆっくりとしか歩けないんだけどね。


渡辺「おめでとう、Aちゃん」


「ありがとうございます！！」


渡辺「定期的に検査に来てもらうから」


「はい」


渡辺「無理しちゃダメだからね、君はやりかねないから」


「ははっ、気を付けます」


そう言って渡辺先生は病室を出ていったと同時に、降谷さんが入ってきた。


「ちょっと待ってｯ！！」


降谷「ｯ！？」


私はゆっくりと立ち上がって２ｍくらい前にいる降谷さんのところまでゆっくり歩き出した。









「ついたっ！」


ようやく降谷さんのところに着き、彼が支えてくれる。


降谷「頑張ったな」


「うんｯ………」


降谷「ははっ、何泣きそうになってるんだ」


「だって…………何も使わないで、何も頼らないで、歩けたんだよ………まだちゃんと歩けないけど、痛くないよ………ｯｯ……」


前、薬で歩いてた頃は、痛くて、いつ薬が切れるか怖くて……恐怖だった。


でもやっと、ここまで来れた。自分の足で、歩けるようになった。


降谷「そうだな、ここまで長かったな、頑張ったな……………」


「うんｯ……」


そしてこれからも、自分の足で進むんだ。あの子達を守るために。


優しく抱きしめてくれる彼はすごく暖かく感じた。






・

episode.53→←episode.51

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す