恋人の雰囲気 ページ5
＊
「A〜」
『んぁ？どった』
真面目に仕事している時に話しかけられて腑抜けた声が出る。
「今日、弁当忘れた」
『あぁ、ん』
忘れたことだけを伝えれば何とか伝わると思ってるショッピも、
忘れたと言われた時の対処法を備えていたかのように覚えてる私も、
傍から見れば2人しか分からない暗号を言っているようなものだろう。
高校の時からずっとどちらかが弁当を忘れたときは2人で1つの弁当を食べていた。
学食で買えばいいし、今だってそうだ。
それでも何故か忘れた時は一緒に食べるのがお決まりになっていた。
『今食べる？もう少し後にする？』
「俺はとりあえずキリがええから今食べたいって思ってんけどAは進み遅いし終わっとらんやろうから後にしよか」
『よし、今食べに行こか』
「せやね」
上手い具合に口車に乗せられてることは分かってるけど、何しようと結局煽られるだけだから無視無視
車内の食堂で2人で座って1つの弁当を食べ始める。
「今度デート行きたい」
『いいね、どこ行く？』
さらっと紛らわしい恋人発言をするがこれもまた私達の間では普通の発言だ。
恋人じゃなくても、男女で行けばデートだなんてことを私とショッピでクリスマスに一緒に考えた言葉で
それから2人で出かける時は「デート」と使ってる。
「前は映画やっけ？」
『そうだね』
「あ、せや
この前テレビでやっとった遊園地面白そうやったで
お化け屋敷行こ」
『遊園地はいいけどお化け屋敷なら却下』
「そんな怖ないやろ」
『怖くないお化け屋敷なんてないです』
「まぁ、遊園地は決定かな？」
『どっかのネズミーランドとかU〇Jよりスペック高いの期待してるね』
「安心してや
俺が自分でリサーチして選んだ遊園地やからどこよりもええとこやで」
『え？ナルシ？』
「Aがやろ」
『よし、お前もう私の弁当食うな
おいこら最後の一口と言わんばかりにおっきくとるな
お前にやる飯はねぇ』
「太るで」
『食べながら話すな
結構気にしてるとこ突いてこないで』
「しゃあないから俺がAの分食ったるかぁ…
しゃあないなぁ〜…」
『ほら、ゾム先輩と食害されてこい』
「俺を殺す気なん？」
他愛ない話を楽しそうにしてる2人は、
書類の訂正のことを伝えたくても、
2人のどちらかと一緒に食べたくても
どうにも邪魔ができないらしい。
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雑主_A(プロフ) - いちみさん» 最後までご愛読ありがとうございます、物語や関係性を楽しんで頂けてとても有難い限りです！作品を見つけて頂きありがとうございました！ (9月16日 22時) (
レス) id: b32c491b45 (このIDを非表示/違反報告)
いちみ - 完結おめでとうございます!私は二人の関係性が凄く好きで､こんな神な作品を作れる人初めて出会いました！特に最後ら辺は涙が溢れてしまいました…これからもずっと応援してます！頑張ってください！ (9月16日 9時) (レス) @page38 id: d3cec39784 (このIDを非表示/違反報告)
雑主_A(プロフ) - のすけ。さん» ありがとうございます！作品に様々な感情を抱いて読んで頂けて嬉しく思います、作品の在り方としての本望です。ご愛読頂きありがとうございます！ (9月2日 6時) (レス) id: b32c491b45 (このIDを非表示/違反報告)
のすけ。(プロフ) - 完結おめでとうございます！更新お疲れ様でした！2人の関係性に時にもどかしさを感じたり、時に感情溢れて泣いたりしました。この作品を見つけて本当に良かったです。素敵な作品をありがとうございました！ (9月2日 6時) (レス) @page38 id: 5a489ae30f (このIDを非表示/違反報告)
雑主_A(プロフ) - キルさん» ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけて光栄です、ありがとうございます！ (9月1日 22時) (レス) id: b32c491b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雑主_A | 作成日時：2023年7月27日 16時
