感情の充満 ページ30
＊
その後の電車でも、ショッピがいつものように話しかけてくれたのをいつものように笑って返そうと繕って話続けた。
shp「クリスマスイブやからもっと人おると思っとったけど、日付変わるとやっぱ少ないな」
『そうだね、』
shp「駅までの道はイルミネーションっぽくなってたし人多かったからてっきり混んでるもんやと。
まぁ、空いててよかったけど」
『うん、よかった』
shp「…幼稚園の頃も、ツリー飾ってたよな。
俺あれ好きやったな」
『懐かしいね、私も好きだったな
木の下にプレゼントの箱まで置いてあって』
ずっと胸は苦しくて、
ただそれでもショッピの話は気が和らいで、
気を紛らわすような笑みを貼り付けた。
shp「
『うん、すごかったね、』
隣から話しかけてくれるショッピの顔を見るのが怖くて、呆然と鞄に置いた手を見つめる。
何度も組み直して 落ち着ける感覚を探しても、未だに見つからない。
モヤモヤとした煙が胸に立ち込めていると、
ショッピが私の手に自分の手を重ねようとしていた。
咄嗟に手を退けて胸辺りへ持ってくる。
『…どうした、？』
思わず表情を伺えば、何処か寂しそうでそれを誤魔化すように苦笑いを浮かべた。
shp「…いや、…なんでもないで」
顔を引きつらせて、眉を下げて、
それでも"好きな人"の顔は綺麗だった。
ずるいくらいに。
その後もずっと他愛ない話を聞かせてくれて、気力のない相槌を返して、
ショッピはいつも通り家の近くまで送ってくれようとしたけど、
用があるからと嘘を吐いて駅で別れた。
今にも大粒の涙が溢れそうになりながら、それを精一杯に堪えて
何も考えないように、と頭を必死に回して、
いつも通らない、遠回りな道を独りぼっちで歩いた。
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雑主_A(プロフ) - いちみさん» 最後までご愛読ありがとうございます、物語や関係性を楽しんで頂けてとても有難い限りです！作品を見つけて頂きありがとうございました！ (9月16日 22時) (
レス) id: b32c491b45 (このIDを非表示/違反報告)
いちみ - 完結おめでとうございます!私は二人の関係性が凄く好きで､こんな神な作品を作れる人初めて出会いました！特に最後ら辺は涙が溢れてしまいました…これからもずっと応援してます！頑張ってください！ (9月16日 9時) (レス) @page38 id: d3cec39784 (このIDを非表示/違反報告)
雑主_A(プロフ) - のすけ。さん» ありがとうございます！作品に様々な感情を抱いて読んで頂けて嬉しく思います、作品の在り方としての本望です。ご愛読頂きありがとうございます！ (9月2日 6時) (レス) id: b32c491b45 (このIDを非表示/違反報告)
のすけ。(プロフ) - 完結おめでとうございます！更新お疲れ様でした！2人の関係性に時にもどかしさを感じたり、時に感情溢れて泣いたりしました。この作品を見つけて本当に良かったです。素敵な作品をありがとうございました！ (9月2日 6時) (レス) @page38 id: 5a489ae30f (このIDを非表示/違反報告)
雑主_A(プロフ) - キルさん» ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけて光栄です、ありがとうございます！ (9月1日 22時) (レス) id: b32c491b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雑主_A | 作成日時：2023年7月27日 16時
