移せば治る ページ25
−−shp 視点−−
＊
少量の水を含んでカプセルの中身を取り出し口に含む。
不思議そうに俺を見るAの頬をこっちに寄せて、口を開かせ重ねる。
熱は移すと治るって言うし。
『んっ…、…』
身長的に俺が口移しすると必然的にAが上を向きそのまま流れるように飲む。
驚いたのか声を漏らしながらAがされるがままになっている。
全て移してから離れて、口の端から零れた涎を手の甲で軽く拭う。
やっと離れて息を整える惚けたAもやらしく涎を垂らしていて
唇に親指を沿わせて拭うと少し目を瞑った。
『…？、…』
どうせ、いつものように熱のときのことは覚えていないのだろう。
「…A、好きやで。」
＿結局、俺一人がいつまでも覚えてて悩まされるんだったら少しは好きにさせて欲しい。
まだ熱いAのおでこに優しくキスを落として微笑む。
熱に弱って蕩けたAの綺麗な瞳がかわいくて、
また、少しだけ惚れなおした。
−次の日−
−−A 視点−−
結局、昨日は酷い熱でショッピと途中退社して家まで送ってもらったらしい。
意識がずっとふわふわしてたから記憶は曖昧で詳しいことは覚えてない。
幼い頃から熱に気付かずに登校して、
幼稚園や学校に着いてから周りが気づいて保健室に行って初めて自覚していた。
よくショッピがお見舞いに来て看病してくれたのを思い出す。
そしていつも
次の日元気になった私が、
熱が移ったショッピを看病することになる。
今日もまたそんな感じ。
会社休んでショッピの家にお見舞いに来た。
「ﾝｯ、ｯごほっ…こほ、…」
『結構 辛いのわかってんのによく私のこと看病するよね、毎回移るのに。』
「…うっさい……」
『いっつも私に"キス"とかしてたりして』
「…気のせいや、あほ」
『はいはい、バカなのに二人で熱出して寝込むんだから困るよほんと』
「ばかは風邪引かないんやなくて、気づかないんやで
Aとちがって俺は分かって熱出しとるからばかやない」
『わかってんのに気を付けもせず移ってる方がよっぽどバカだから』
昨日ショッピが買った解熱剤を取り出して水と一緒に渡そうとすると、
何故か全く受け取らず、じっと私を見た。
『…なに？』
嫌な予感がして少し顔を顰めて問うと薬を飲むのが面倒くさそうに告げる。
「…Aがのませてや、」
『絶対やだ(即答)』
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雑主_A(プロフ) - いちみさん» 最後までご愛読ありがとうございます、物語や関係性を楽しんで頂けてとても有難い限りです！作品を見つけて頂きありがとうございました！ (9月16日 22時) (
レス) id: b32c491b45 (このIDを非表示/違反報告)
いちみ - 完結おめでとうございます!私は二人の関係性が凄く好きで､こんな神な作品を作れる人初めて出会いました！特に最後ら辺は涙が溢れてしまいました…これからもずっと応援してます！頑張ってください！ (9月16日 9時) (レス) @page38 id: d3cec39784 (このIDを非表示/違反報告)
雑主_A(プロフ) - のすけ。さん» ありがとうございます！作品に様々な感情を抱いて読んで頂けて嬉しく思います、作品の在り方としての本望です。ご愛読頂きありがとうございます！ (9月2日 6時) (レス) id: b32c491b45 (このIDを非表示/違反報告)
のすけ。(プロフ) - 完結おめでとうございます！更新お疲れ様でした！2人の関係性に時にもどかしさを感じたり、時に感情溢れて泣いたりしました。この作品を見つけて本当に良かったです。素敵な作品をありがとうございました！ (9月2日 6時) (レス) @page38 id: 5a489ae30f (このIDを非表示/違反報告)
雑主_A(プロフ) - キルさん» ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけて光栄です、ありがとうございます！ (9月1日 22時) (レス) id: b32c491b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雑主_A | 作成日時：2023年7月27日 16時
