ONCE UPON A TIME～真実の愛のキス～3 (ページ5)

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晴れ渡った空を一気に暗闇に突き落としてしまうほどのドラゴンに息を飲む。

顕嵐は一先ず岩陰に隠れた。

(どうする？ただ斬りかかっていったところで勝ち目はないし…でも、どうにかしないと…)

『がぁーーーーーーーーーーーーーーーー』

(んっ…)

ドラゴンが火を吐くのと同時に地響きが起こる。

鼻を突く煙の匂い。

岩壁が崩れ落ちる嫌な音が山中に木霊した。

(あっ…)

顕嵐のいる場所から2時の方向、落下した岩と壁の間にヒト1人入れるくらいの隙間が見えた。

(あそこまでやつを誘い込めればもしかして…)

顕嵐はもう一度ドラゴンに目をやった。

どういうわけか、ドラゴンはここからどこかへ行くことなく、火を噴きながら頭上を旋回している。

(やるなら今しかない)

顕嵐は岩陰から飛び出した。

「おい！こっちだ！」

顕嵐の声を聞いたドラゴンが、顕嵐に向かって一気に下降してくる。

次から次へと降ってくる火の玉を避けながら、あの岩に向かって走る。

あと少しで追いつかれるというところで、なんとか岩の裏に滑り込んだ。

そのまま岩の上までよじ登る。

そして…

ドラゴンの首を勢い良く断ち切った。