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Aside
ちゃりんちゃりん
お「いらっしゃい。おや、A。今日はバイトは休みなのかい？」
貴「うん。今日はじんたちが来る日だから」
お「あ〜、そうだったね。たく、あの子たちは…ひとり暮らしの女の子にたかるなんてどういう神経してるんだか。私が一度躾直してやらんといけないね」
貴「お願い(笑」
店に入った途端、話しかけてきたおばあちゃん。
そのままカウンターに通される。
おばあちゃんの目は私を離れ、顕嵐を捉えた。
お「今夜はお客が1人多いようだね」
貴「彼は阿部顕嵐さん。今日、うちのクラスに転校してきたの」
お「例の意識不明の？」
顕「例の？」
貴「言ったでしょ。噂はすぐ広まるって」
私がそう言うと、顕嵐は納得したようで
おばあちゃんに対し慌てて頭を下げた。
お「そんなことしなくていいんだよ。ほら、Aの隣座んな」
顕「はい…」
顕嵐はぎこちなく私の隣に座った。
貴「そんなに緊張しなくても大丈夫よ。おばあちゃんは、あなたを取って食べたりしないから」
お「そうだよ。顕嵐君って言ったね。私のことはおばあちゃんと呼んでおくれ。Aたちと同じように」
顕「はい…おばあちゃん」
顕嵐はそう言った後、恥ずかしそうに俯いてしまった。
貴「おばあちゃん、コーヒー２つ」
お「はいよっ」
顕「あっ、俺が出すよ」
お代を出そうとした私の手を顕嵐が止める。
やっぱ男の子だから、女に奢られるのは気が引けるのかな？
顕嵐は自分の財布から2人分のお金を出し、おばあちゃんに渡した。
貴「ありがとう」
顕「いいよ、これぐらい」
顕嵐は私の目を真っ直ぐ見て笑った。
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作者名：千織 | 作成日時：2017年2月20日 18時
