ONCE UPON A TIME～真実の愛のキス～2 (ページ40)

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ミダス王の国からこれまた遠く離れたある国で

青年が羊を追いかけていた。

「こら！早く柵の中に入れ！」

青年が羊をすべて柵の中に入れた頃には

とっくにお昼を過ぎていた。

「だらしない子だね～。羊に馬鹿にされて」

「馬鹿になんかされてないさ。あいつらは俺に気を許してるんだ」

「そうかい？(笑)早く座りな。お昼にしよう」

青年の母親はスープを並べ、スプーンを出した。

貧乏ではあったが、2人とも幸せに暮らしていた。

トントントン

2人がお昼を食べていると、誰かが戸を叩いた。

「誰だろう？」

「さあ。お前、出ておくれ」

「ああ」

「どうもっ！」

「あ～、どちら様？」

青年が扉を開けると、

ワニのような肌をした妙に小綺麗な男が立っていた。

「最後に会ったのは、お前がまだ赤ん坊のときだったな。覚えてないのも当然だ。俺様の名前はルンぺルシュテルツキンだ」

「…あ～、よろしく」

「お母さんはどこかな？」

「中にいます。今呼んでくる。ちょっと待ってて」

「ああ」

青年は玄関から離れ、母親のいる台所に向かった。

「母さん、母さんにお客さん」

「私に？誰だい？」

「ルンペルシュテルツキンとか言ってたけど」

ガシャーン！！

「母さん？」

「ああ…何でもない」

その後、ルンペルシュテルツキンから聞かされたのは、想像を絶するような話だった。