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顕嵐side
岸「おっ、来た来た」
顕「みんな来てくれたんだ」
岸「そりゃ、楓お嬢の機嫌を損ね…イテッ!」
目の大きな子がそう言い切る前に
ちょっとチャラめの子が、その子の足を踏みつけた。
やられた子は恨めしそうに睨んでいる。
宮「せ、せっかく招待してもらったからね。退院おめでとう」
顕「ありがとう。でも、なんか疲れちゃったよ」
宮「退院したばかりだからしょうがないよ。そうだ、俺ら自己紹介まだだったよね?俺は宮近海斗。そんでこっちは…」
岸「岸優太!好きなように呼んで!」
さっきの目の大きな子。
名前にもあるけど、見た目印象『優しい』で間違いなしだな、この人は。
怜「俺は長妻怜央。よろしく」
顕「よろしく」
宮「怜央のお母さんはこの町の町長なんだよ」
顕「そうなの?すごい」
怜「すごいことなんかないよ」
怜央はうんざりだとでも言うように笑った。
お母さんとはあまり上手くいってないのかな?
宮「最後にそいつは神宮寺勇太。ちょっと気に触るけど、いい奴だよ」
神「悪かったな。……じんでいいよ」
顕「よろしく、じん」
じんは俺に右手を差し出した。
その手に自分の手を重ねた。
岸「これでお前も俺らの仲間だな」
宮「SFの見過ぎだよ、岸君」
岸「お前も一緒に見てただろ。顕嵐、これ食う?」
顕「もらうよ」
楓のお母さんが作ったであろうパイを
あたかも自分のであるかのように
差し出す岸君。
その1つを爪楊枝で刺した。
怜「剣を使ったことある?」
顕「ないけど?」
神「また始まったよ…気にするな、顕嵐」
顕「ああ……そうだ、Aは?さっきから姿が見えないけど」
Aの名前を出した途端、
宮近とじんの表情が変わった。
パイを食べていた岸君の手も止まる。
そんな中、怜央だけは
嬉しそうな笑顔を浮かべていた。
怜「Aは具合が良くないんだってさ。誰かが見舞いに来てくれたら嬉しいだろうね」
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作者名:千織 | 作成日時:2017年2月20日 18時