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Aside
貴「やるじゃん、怜央。岩橋君を連れてくるなんて」
怜「彼も会いたいだろうなって思って」
岸「これで万事解決だな」
宮「よかった、よかった」
郁「本当に良かったよ」
貴「河合さん…」
ロビーにステッキの音がして、い
振り向けばそこに河合さんがいた。
貴「どうしてここに？」
郁「安井先生から連絡をもらってね。助かったよ、A。羽村愛梨を見つけてもらえて。君たちもありがとね」
河合さんの謝礼に誰1人として答えなかった。
岸君とじんに至っては
軽く睨みつけている。
神「あんたなぁ…」
貴「待って、じん！…お話があります。お時間いただけますか？」
郁「もちろんさ」
私は河合さんを連れ柱の陰に向かった。
みんなからは見えないことを確認する。
郁「約束を守ってもらったお礼をするよ。君の望む通りにしよう」
貴「じゃあ、取引をしませんか？」
郁「取引？いいだろう。どんな取引かな？」
貴「愛梨さんのお子さんは諦めてください」
河合さんの表情が変わった。
紳士的だった笑みが今では
悪魔の笑いに見える。
郁「残念だが、それは無理だよ。これは決まっていることだ」
貴「私の望む通りにするって言ったわ」
郁「それとこれとじゃ話が違う。彼女は借金の支払いができないから、子供を私に渡すと契約したんだ。金を返せない以上しょうがない」
貴「それは…「それなら私が面倒を見るわ」
貴「町長！」
誰かが口を挟んだと思ったら、
それは町長だった。
ハイヒールの音を響かせ
こちらにやってくる。
郁「どうして君がここにいるんだね？」
綾「町長として、赤ちゃんが生まれたことをお祝いしに来るのは当然だわ」
郁「そうか。それはいいとして、この件に君は関係ない」
綾「いいえ、あるわ。町の住民を守るのが私の仕事だもの。羽村愛梨の借金は私が立て替えるわ。それで文句はないでしょ？」
郁「だがねぇ、町長…」
綾「ここから先は私たち2人の問題よ。ここでするのはよしましょう」
郁「…分かった。その通りにしよう。では、失礼する」
河合さんはそう言って去っていった。
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作者名：千織 | 作成日時：2017年2月20日 18時
