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継母たちが舞踏会に出かけてから
しばらくした頃、
シンデレラは庭の落ち葉を掃いていた。
どうしてこんなことになってしまったのだろう？
シンデレラは
毎晩この問いをし続けた。
最初はこうじゃなかった。
彼女の父親が亡くなるまでは…
父親が亡くなり
すべてが変わった。
継母は
渚と葵とシンデレラを
明から様に差別した。
使用人のごとく
粗雑に扱われる毎日。
屋根裏部屋に追いやられ
お洒落を楽しむ姉たちを
ただ見つめるしかない自分。
シンデレラは惨めだった。
ゴーンゴーン
お城の鐘が鳴った。
舞踏会の始まりだ。
今頃継母たちはどうしているのだろう。
王子様と踊ってそれは楽しい時間を過ごしているのだろうか。
そう思うと
シンデレラは余計に惨めだった。
「舞踏会に行きたいのかい？」
「っ！……あなた誰？」
「怖がらないで。私はフェアリーゴッドマザー。あなたを助けに来たの」
フェアリーゴッドマザーは優しくそう言った。
シンデレラの手をとり
ぎゅっと握る。
その温もりに
シンデレラの目からは涙が溢れた。
「こんな生活もういや…」
「ええ、分かってるわ。私がどうにかしてあげましょう」
フェアリーゴッドマザーはシンデレラから離れ、
持っていた杖を振り上げた。
そして、呪文を唱える瞬間…
ポンッ
フェアリーゴッドマザーは紫の煙に包まれ
消えてしまった。
代わりにシンデレラの前には
ワニのような肌をした醜い男が立っていた。
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作者名：千織 | 作成日時：2017年2月20日 18時
