参 話 ページ5
･
炭十郎さんと文通を始めて半年が経つ
その間も炭十郎さんは合間を縫って逢いに来てくれ、お互いのことを話し合った
私は彼の事が好きみたい
私自身、鈍感ではないしこの気持ちには早いうちから気付いていた
炭十郎さんはどうか分からないけれど＿同じ気持ちだったら、嬉しいな
両親は｢やっと春が来たのね！｣と喜んでいた。でも炭十郎さんの事を話すと顔つきが変わったが、いつも私に｢Aなら大丈夫、きっと竈門炭十郎さんの支えになる｣と元気づけてくれた
＿文通を続けて半年と2ヶ月、
いつも通り届いた文を開くと、そこには一文だけ書いてあった
"俺は今どうしようもなく、君に会いたい"
顔が熱くなって胸がドキドキした。
初めてこんなにハッキリ"会いたい"と伝えられ、熱を覚まそうと目を瞑っても頭に浮かぶのは彼の事。
震える手で筆を持つと、一文字一文字丁寧に返事を書く
"同じ気持ちで嬉しく思います"
嗚呼、彼はどんな顔をするのだろう…
もしかしたら私だけが期待していて、彼はそう思ってないのかもしれない
ただの勘違いかもしれない。
･
それから、いつも直ぐに届くはずの文は来なかった。この溢れる想いをどこにぶつけたらいいのか分からなくて、泣き顔を親に見せたくなくて、
いつも炭十郎さんと会っている家から少し離れた花畑に走って行った
『ふ……』
色とりどりの花を見た瞬間、座り込み涙を零した
私を優しい瞳で見つめる、炭十郎さんを想い静かに涙を流す
袖で拭っても溢れ出るそれは、まるで雨のようで＿＿
｢見つけたよ……どうして、泣いているんだい？｣
背中に温もりを感じ、その逞しい両の腕で後ろから抱き締める彼は、走ってきたのだろうか息が少し切れていた
『っ、炭…十郎、さん？』
｢そうだよ、A…。遅れてしまってごめんね、君からの文を読んだ時、居ても立っても居られなくて…約束もしてないのに来てしまった｣
Aは振り向き彼の首に腕を回した
急だったのにも関わらず、彼はしっかりとAを受け止め、その美しい髪を撫でながら抱き締めた
｢聞いてもいいかな…君を泣かせたのはなに？嫌な事でもあった？それとも、どこか怪我をした？｣
優しく、心配したような声色で話し掛けてくる炭十郎
Aは炭十郎の襟元で首を横に振ると、そっと顔を上げた
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恋淵(プロフ) - 何度も読み返してます!!とても続きが気になります…更新頑張ってください!! (2020年7月5日 2時) (
レス) id: 8c2670d918 (このIDを非表示/違反報告)
モッチー - 早く続きが見たい！更新待ってます！ (2020年2月17日 18時) (レス) id: 34421024d8 (このIDを非表示/違反報告)
瀬戸(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみに待ってます！ (2019年12月15日 23時) (レス) id: aeec6d80c7 (このIDを非表示/違反報告)
SAKI - 凄く面白いです！更新楽しみにしてます！！！頑張ってください！ (2019年11月17日 19時) (レス) id: b6b3e612da (このIDを非表示/違反報告)
れいれい - わぁ！とっても面白かったです！！これからも更新頑張って下さい！！ (2019年11月2日 23時) (レス) id: 37bbb80034 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あか
| 作成日時：2019年10月18日 21時
