〇〇しないと出られない血鬼術 参※リクエスト停止中

伊黒さんと膝枕【リクエスト】 ページ10

※夢主特殊設定 幽霊 雪柱(生前)


【膝枕をしないと出られない部屋】


『久しぶりですね、小芭内さん』

ゆっくりと小芭内さんを見る。


驚いた表情、なんて初めて見た。


「A……A！！」

近づこうとする彼を止める。


『早く達成して出ましょう。』


居住まいを正し、膝を叩く。



小芭内さんは何も言わない。




催促するように再度膝を叩く。



ゆっくりと近づき、膝に重みを感じる。


手を握り、目を見る。



『…………ごめんなさい。先に死んでしまって。』


私と小芭内さんは婚約者だった。



雪柱と蛇柱。


でも、私は鬼に食われた。上弦の弍相手に、食われてしまった。



「…………信じられんな。こんなにもお前は暖かいのに


本当に死んでしまったと言うのか」


拳を握りしめるのが見えた。


私は小芭内さんを抱きしめた。



扉の開く音がした。




『………………さようなら』



「っ、待て！！」


小芭内さん…………伊黒さんが手を伸ばすがそれをはたき落とす。



そして私は扉の方に押した。




(…………私は忘れて、新しい伴侶を見つけてくださいね)



伊黒さんがいなくなった部屋は、広く感じた。



ふと、ショートブーツが何かを踏んだ。



(何かしら)


拾い上げて見ると指輪だった。



この指輪は…………


指輪の中にはAと彫ってあった。



『結婚……指輪』


名前が入ったペアの指輪が欲しいと生前言っていた。


『ふっ…………うぅ……』


ぽろぽろと涙がこぼれた。



________________
俺は自分の首に紐を通した指輪を眺めた。


あいつが欲した名前が入ったペアの指輪。


やっと渡せた。



きっとさっきの手は拒絶だろう。


(新しい伴侶でも見つけろ、とか考えてるんだろうな)


馬鹿だ。


あいつ以外、俺の伴侶が務まるわけない。



「……雨が降ってるのか？」

瞳から、雨がこぼれ落ちた。



【私を忘れないで】


【俺を忘れるな】



おや？焔華さんに言いたいことがあるみたいです！


「リクエストありがとな。


悲恋系になってしまった。


こんな感じでよかったか？


というかお前は、何を泣いている。


泣きたいのはこっちだ馬鹿。


生涯唯一の嫁。


俺を忘れるな。俺もお前を忘れない。

忘れてなどやるものか。


だから、……見えなくてもいいからそばにいてくれ」


リクエストありがとうございます！

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