61話 過去編 ページ16
何度言っても防護服を着ようとしないまま
爆発物処理班がマンションに入ることになった
舞「ちょっ、研二ってば!」
萩「大丈夫だって。俺は死なないよ。舞にはまだ伝えたいこともあるしな。」
舞「伝えたいこと?」
萩「・・・あぁ。だから待っててくれよ。爆弾なんてすぐ解体して戻ってくるからさ。それに、俺がお前を置いていくわけないだろ?」
舞「研二・・・。」
そう言ってあたしのおデコにキスして
爆弾の場所に向かって行った
・・・ホントチャラいやつ
まぁそんな研二を好きになったのはあたしだけど
朝「・・・お熱いですね。」
舞「っ見てたの!?」
朝「周りを見てくださいよ。」
司に言われて周りを見渡すと
たくさんの警察関係者が顔を赤くしていた
舞「あっ・・・。」
朝「分かりましたか?」
舞「・・・はい。」
これじゃあどっちが先輩か後輩かわからないね
爆発物処理班が中に入ってから数十分が経った
松「九条。」
舞「松田!ってことはあっちの爆弾は解体したんだね。」
松「ああ。それより萩原は?」
舞「まだ、解体中。」
松「アイツちゃんと防護服着てんだろうな?」
舞「それが、何度言っても聞かなくて。結局着ないまま中に。」
松「はぁ!?あのバカッ」
研二が防護服を着ていないことを伝えると
松田が電話をかけた
その声は近くにいたあたしにも聞こえる
萩『なんだよ松田。悪りぃが今忙しいんだ・・・』
松「バカ野郎!てめえ防護服着てねーんだろ!?死にてぇのか!?」
萩『まぁまぁそんな怒りなさんな。ってもしかして舞に聞いたのか?』
松「ああ。すげー不安そうだぜ、だからさっさと解体しちまえよ。」
萩『ああ。だが、そう簡単にはいかねーんだよ。構造は割と簡単なんだが、トラップが多くてな。・・・俺が死んだら仇をとってくれよ?』
そう聞こえたとき
本当に不安になった
松「バカ野郎!・・・怒るぞ?」
萩『ハハッ冗談だよ。タイマーは止まってるし・・・なっ!?』
松「おい、どうした萩原?萩原!?」
舞「な、なに、どうしたの!?」
松「わかんねぇ!おい萩原!?」
松田が声を張り上げて研二に呼びかける
その時
・
・
バァーン!!
舞・松「「っ!?」」
まだ解体中の研二がいた場所が大きな音を立てて爆発した
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作者名:あやちゃん | 作成日時:2020年3月29日 20時