57話 ページ12
浜「アイツも色々あって、死ぬほど努力して今みたいになったんだ。わかったかへっぽこ警部?」
山「ちょ、誰がへっぽこ警部ですか!」
勘「てめぇだよ。他にいねぇだろ。」
ギャーギャー
春「あ、あの。」
浜「ん?なんだ?」
春「舞さんは色々あって、と仰ってましたが何かあったんですか?・・・何か辛い経験をされたとか。」
浜「・・・何でそう思う?」
春「先程犯人の方に言っていた言葉を聞いて、あんなことを言えるのは実際に経験した人じゃないと言えないのではないかと思って・・・。」
・・・アイツの言葉ちゃんと聞いてたんだな
確かにあの言葉はアイツだから言えたことだ
セ「ワタシも気になりまス!」
浜「・・・舞はな、今まで色んな大切なもんを失ってきた。色んなもん奪われてきたんだ。」
瑛一「奪われた?」
浜「舞が(俺達)警察学校時代に仲が良かった男達が5人いたんだよ。」
舞を合わせた6人とも全員顔面偏差値高くて成績も優秀だった
・・・問題児ばっかだったけどな
カ「5人、いた?」
浜「・・・ああ。そいつらの4人、舞とその中の男1人残して全員死んじまったんだよ。」
全「「!?」」
浜「2人は爆弾の解体中に爆死。1人は交通事故死。1人も死んだ。そいつに関しては詳しくは話せない。」
ト「っ・・・。」
浜「舞には幼馴染が2人いてな。1人はさっき言った通りまだ生きてる。だが、もう一人は死んじまった。・・・それに、その中には舞の恋人もいたんだよ。」
瑛二「こ、恋人?」
浜「ああ。でも、そいつが1番最初に死んだんだ。そっからアイツにとって地獄の始まりだった。」
あの事件があってからアイツはしばらく仕事なんかできる状態じゃなかった
久々にアイツを見た時は驚く程に衰弱しきって痩せていた
それまでも十分細かったが
目に見えてわかる程だった
浜「その後も仲間が死んでいって、まさに"絶望"って言葉が合うくらい追い詰められていた。今はあんなに元気に見えるが、本当は泣いてんだよ心では。
・・・知り合いから聞いた話しじゃあ夜はずっと泣いてるみたいだ。
アイツは誰よりも強いが、本当は誰よりも弱いんだよ。
舞は、もうずっと昔から同じ場所に止まってる。ずっと動けないままなんだ。」
27人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あやちゃん | 作成日時:2020年3月29日 20時