又貸し ページ4
紅い魔物のあやは、封印のきろくから顔を出して私のことを見ているようでした。
シグは封印のきろくを抱えて、こちらに向かってきました。
「A、これあげる。」
「『あげる』じゃないだろシグ。ボクが借りてる本なんだからさ。」
クルークがつっこみを入れます。
「A、我のことをしばらく預かってくれないか。」
「はい？えっと、それは構いませんが……。でも、クルークさんのおっしゃる通り、クルークさんが借りてらっしゃるんですよね。私に貸したら、又貸しになって先生方に怒られたりしませんか？」
「そうそう、ボクもそう思うんだけどね。なんかやたらあやがキミにこだわっててさ。」
「余計なことを言わなくていい。だいたいクルーク、お前はただ単に封印のきろくを他の者に取られたくないだけだろ。」
「『取られたくない』じゃなくて、この封印のきろくはボクと運命共同体なんだ。だから、運命共同体のボクとこの封印のきろくは、決して離れたりなんかしないのさ！」
「訳の分からんことを言うな、クルーク。」
自信満々に根拠の無い言葉を並べて話すクルークに、あきれ顔でつっこむあや。
私がどうしていいか分からず黙っていると、シグが静かに言いました。
「A、封印のきろく、ほしい？」
「え？えっと……その……。」
「ほしいなら、あげる。」
「は……はあ……ありがとうございます……。」
「おいおい、『あげる』じゃないって言っただろ！A、貸してあげるだけだからね。勘違いしないでくれたまえよ、トクベツだからな！」
クルークに念押しされ、私はシグから封印のきろくを受け取りました。
ふと封印のきろくを見つめると、中にいたあやと目が合いました。
あやは上手くいったとばかりに、ほっぺを赤くしながら私を見つめていました。
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アカリ(プロフ) - mi_oさん» コメントありがとうございます！もうかれこれ７年も更新してなかったです（汗）更新頑張ります！ (2023年4月21日 0時) (
レス) id: ff8c2d235e (このIDを非表示/違反報告)
mi_o - シグ最高です！！！更新がんばってください！ (2023年4月20日 22時) (レス) id: 5b00190882 (このIDを非表示/違反報告)
梅干し(プロフ) - どんかつさん» どんかつ様、コメントありがとうございます。長らく更新していなくてすみません。もうじき更新するので、お待ちくださいませ。 (2017年7月20日 15時) (レス) id: 14d63faaab (このIDを非表示/違反報告)
どんかつ - すごく良い作品ですね！更新楽しみにしてます♪( ´▽｀) (2017年7月20日 13時) (レス) id: 7cba89f18f (このIDを非表示/違反報告)
梅干し(プロフ) - OK牧場の春さん» OK牧場の春様、コメントありがとうございます。OK牧場の春様のお言葉、とても嬉しいです。体調管理もしつつ、この作品をしっかり最後まで終わらせられるよう頑張ります。 (2017年4月14日 21時) (レス) id: a8dc1afb74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梅干し | 作成日時：2016年12月18日 5時
