白い死神。

ネコ、21匹 ページ21

夢主side


ガタッ


2人で席を立ち、彼をチェックポイントへ誘導する

途中で花巻さんにぶつかり、合図をおくる




『…ッ！あッ、ごめんなさい！』

花｢！ いえ、こちらこそすみません｣

赤｢大丈夫ですか？｣

『大丈夫です……』


ザワッ





『…………』





何故だろう、凄く嫌な予感がする
早めに終わらせて帰ろう




赤｢凛さん？｣

『えっ、あっ、あぁ、はい？』




珍しく、素で驚いてしまった




赤｢聞いてなかったんですね。｣




あそこで良いですか？と言って、ある場所を指さす彼。ちょうどそこはチェックポイント

人気のない、静かな場所
男はそんな所で仲良くするのが好きらしい

何が良いのか私には分からないが




赤｢凛さん……｣




熱っぽい瞳で見つめられ、腕を引かれる




『ひゃっ…』




そして、赤葦さんの腕の中へ




……花巻さん…？

どうしたのだろう？
もう、来ていい頃なのに

何か、あった？

ここは、マフィアやヤクザが集まる場
何があってもおかしくはない

彼本人もマフィアだと言っていた
きっと、声でも掛けられたのだろう

それなら、私ひとりでするしかない
気絶させた赤葦さんを支えられるかは心配だけど




『赤葦さん……』




首に腕を回し、熱を含んだ声で名前を呼ぶ
深いキスをして、力が抜けたところで気絶させよう




赤｢凛、さん………ん…｣

『ん……は…』




優しいキスを繰り返した後、私が舌を入れる



………はずだった。





『…ん、ッんぅ！？』





舌を入れたのは、私ではなくて彼。赤葦さん
しかもなかなか上手くて、私でも息が切れそう

『……はっ、んん……んっ！？』

…っな、何！？


彼が、口移しで何かを入れてきた
しかも、そのまま深いキスをするものだから

ゴクンッ

と、飲んでしまった



『な、なんで……』

赤｢あれ、まだ気が付かないんですか？花巻さん、来てないんでしょ？｣




え……ま、って、何故貴方が彼の名前を知ってるの？

必死に頭を巡らせていると、後ろから声




花｢いや、来るっちゃ来るぜ？シロネコさんの仲間として、ではないけどww｣

『ッ……！？』



……しまった、油断してた
依頼人まで警戒するのを忘れていた

私としたことが

彼らは仲間で、私は嵌められた

先生がいつも言っていたのに
「他人は、信用してはいけない」って




赤｢……どうしますか？｣

花｢いや、どうするも何も連れて来いって命令だろ？｣



……ここで、捕まるわけにはいかない

ネコ、22匹→←ネコ、20匹

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す