狂ったくらいに愛してる。 (ページ15)

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Youside

健｢手伝うよ〜｣

そう言って、一緒に日直の仕事をしてくれた健太さん。

優しい。

健太さんのおかげで普通より早く帰ることができる。

『健太さん！ありがとうございました！

でわ、また！』

手を振りながら言って、教室を出ようとすると

健｢待ってって。一緒に帰ろ？送ってく！｣

私の腕を掴んでそう健太さんが言った。

『そんな！日直の仕事まで手伝って貰ったのに送ってもらうなんて、申し訳ないですし。
健太さんっていっつも帰ってる方向見ると反対側ですよね？
尚更申し訳ないです。』

健｢ううん。けんたが送りたいだけ！
だから、Aちゃんはなんも気にしなくていいの！ほら、行こ？｣

拒否権なんてないように
私の腕を掴んでズカズカ進んでく。

でも掴んでる手は痛くもなく、
暖かい手で
何故か心地よかった。

靴に履き替えて校門を出た

健｢いやぁ〜、ほんとにAちゃんと帰れてることが奇跡！｣

『なんでですか？』

健｢さっきも言ったじゃん？
樹くんとか北人とか壱馬とか？
ガード固すぎだし、絶対もう話せないかと思ってたからさ｣

『私もそう思いました笑笑
健太さんと一緒にいれて楽しいです！』

この言葉を言ったあと、
健太さんは無表情に変わった。

なんか、怖い。

健｢…誰よりも？｣

『…え？』

健｢誰よりも一緒にいて楽しい？｣

この時の健太さんの目は
｢はい｣の言葉以外は言わせない。
そう言っている目をしてた。

『はい。』

あの表情にビックリして
何も考えることも無く
そう返事していた。

この言葉を聞けて満足したのか
健太さんはあの表情がなかったかのように
元のニコニコの笑顔に戻った。

健｢けんたもAちゃんと一緒にいると楽しい！誰よりも楽しいよ！

あ、そうだ。
Aって呼んでいい？｣

『はい！全然いいですよ！』

健｢やったー！｣

怖い。そういう感情で心は埋まっていたはずなのに、元のニコニコの笑顔を見ただけでそんな感情なんてあっという間に無くなったんだ。

健太さんと他愛もない話をしていたら
あっという間に家に着いた。

健｢ここか！じゃあね！明日も話せるといいね？｣

『話せます！お兄ちゃんとかもはじき飛ばして飛んでいきますね！』

健｢お笑そーか！
楽しみしてるね笑
バイバイー｣

『さようならー！』

この時は気づけなかったんだ。
健太さんがいつもの笑顔じゃなくて
黒い笑みをしていたことを。