狂ったくらいに愛してる。 (ページ12)

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Youside

校舎の中に入っても
お兄ちゃんの足は止まることはなく、
さっきより私の手を握る力が強くて
痛い。

『…お、お兄ちゃん！』

そう言うとやっと止まってくれた。
でも、正面を向いたままで、
私の方向には振り向いてくれなかった。

お兄ちゃんが歩くの早くすぎて、
樹と北人さんはどこかへ行ってしまった。

壱｢…なぁ、なんであいつのこと知ってるん？｣

『え、な、なんで…って…』

壱｢なぁ、お願い。教えて。｣

そう会話してる時も、
お兄ちゃんはこちらを向かなかった。

『前、たまたま家の近くであっただけで…。』

壱｢は？ほんまにそれだけ？｣

『そ、それだけ…』

本当はそれだけじゃないけど、
これ以上は何故か言ってはいけないきがした。

壱｢…お前。あいつと関わるのやめろ。｣

お兄ちゃんから、お前と呼ばれることはあまりなくて、
めちゃめちゃ怒っているんだろう。

でも、なんで？

壱｢あいつと関わって、お前がいい道に進める気がしない。｣

『で、でも！あの人優しかったよ？』

壱｢初めはそんなもんだよ。いいから、あいつともう関わんな。｣

『今更そんなこと言われたって…(ﾎﾞｿｯ)』

無理だよ。
関わらないなんか。

あの時の私は相当弱ってた。
弱ってた心を埋めてくれたのが健太さんだった。

あの時から私の恋は始まってたんだ。

だから、関わらないなんて、
無理だよ。