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坂本昌行 × ラーメン ページ36

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ずるずると麺をすする音。
へいらっしゃい!という威勢のいい店長の声。
替え玉ください、と言う他のお客さん。
そして横で一口食べるたびに美味い美味いと感動
している私の旦那さんの声。満面の笑みじゃん。
ラーメン屋さんにはたくさんの声や音で溢れている。
私はそういうガヤガヤしてるのが好き。



「そっち醤油豚骨だっけ?」

『そうだよ〜』

「一口ちょうだい」

『一口あーげる!』



豚骨ラーメンが苦手な私にも絶対に食べられる!という
彼の力説によって連れてこられた豚骨ラーメン屋さんは
彼が言うだけあってとっても美味しい。これなら食べれる。


ラーメンが運ばれてきて、一口目を食べて、
美味しいと呟いた私の声を聞いた瞬間に輝いた
彼の顔を私は多分忘れない。そんなに嬉しかったの?
プロポーズ成功した時もそんな顔だった気がするな。
もしかしてプロポーズと豚骨ラーメンの克服は昌くん
の中では等しいの?だとしたら割とショックだよ?




「んなわけねぇだろ(笑)
プロポーズの時の方がよっぽど緊張したわ! 」

『だったら安心した』




ラーメン屋さんから駅まで歩く道すがら、昌くんに聞いて
みると、そう答えられた。良かった、ほっとした。
プロポーズが勝たなきゃなんか拍子抜けちゃうしね…。


手が時々あたるくらいの距離で隣を一緒に歩く。
ふと彼の履いているアディダスの青いラインが入った
スニーカーが視界に入った。これは私が誕生日プレゼント
に、5年くらい前に昌くんに渡したものだと思い出した。
物持ちが良くて、普通にちゃんと尊敬してる、すごい。
ドラマ撮影の現場とか、ライブで遠征行く時にも、
履いて行ってくれるから気に入ってくれてるはず。


横を歩く彼を見ると、視線を感じた昌くんもこっちを見る。
ふふ、って私が笑って、『幸せだね』って言えば彼は
「ラーメンそんなに美味しかったの?」って言う。
ちょっと、ほんとに分かんないって顔じゃんか。
恋愛面に鈍いところだって私には可愛いんだけどね。



『ラーメンはたしかに美味しかったけど違う。』

「じゃ、なに?」

『こうやって2人で歩けてることとか、
5年前くらいにプレゼントしたスニーカーを綺麗なまま
でそのまま履いてくれてることに幸せ感じたの!』

「可愛いやつだな〜!」

『ラーメンで幸せ感じることもあるけど、
食欲だけで生きてるわけじゃないも〜ん。』




私の幸せ、一口いる?









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高橋一生 × 色→←坂口健太郎 × ホラー



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琴音 - またまた続けてのコメントですみません。 僕の妻を決めるという名目で行われているこの舞踏会 近寄ってくる女は、そりゃあ自分の自信があるから これ正しくは自分に自信があるからではないんでしょうか? (2月20日 1時) (レス) id: 6d33361b7d (このIDを非表示/違反報告)
琴音 - また続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 吉沢亮×舞踏会のここの部分 その人は突然現れた。 (2月20日 1時) (レス) @page26 id: 6d33361b7d (このIDを非表示/違反報告)
琴音 - 続けてのコメントですみません。 勇人も私がいるから大丈夫と思ってくれていた。 これ正しくは勇斗にブレーキを 勇斗も私がいるからではないんでしょうか? (2月20日 1時) (レス) id: 6d33361b7d (このIDを非表示/違反報告)
琴音 - こんばんは。 はじめまして。 夜分遅くにいきなりすみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 磯村勇斗×おまじないのここの部分 人より少しやんちゃ気味だった勇人にブレーキを かけるのはいつも私の役目だったし、 (2月20日 1時) (レス) @page20 id: 6d33361b7d (このIDを非表示/違反報告)
- 主さまが書かれるお話がとてもすきです、!もし2作目を作られるときはまた猪野さんのお話を読みたいです、! (2021年9月6日 5時) (レス) id: 9e30f74729 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:どりー | 作成日時:2019年8月9日 8時

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